2008年7月から始まったWFF Awardの活動がヨーロッパを中心に盛んに行われている。 "WFF"( World Flora Fauna )http://www.wff44.com/en/は、International WFF Foundationが発行するアマチュア無線のアワードの一つ。このアワードを得るには、世界の国立公園などの自然保護区(WFFが事前に認定して、WFFナンバーを割り付けた地域)から運用する無線局と交信し、一定の実績が認められるた者に与えられる。 そこには、当然のことだが、WFFナンバー地域からの運用する無線局が必要になる。そこで世界のアマチュア無線局に、日本の自然保護区を紹介PRするチャンスと捉えて該当する地域から無線局を運用する事にした。 そして私は、最初の運用地として「尾瀬国立公園」を選んだ。尾瀬は、自然保護区の中でも特に自動車などの侵入を厳しく制限して居る所であり、また高い山々に囲まれた地域なので、電波を遠くに飛ばす発信地としては非常に厳しい環境の中に有る。一時的にせよ、無線局を設置するには、アンテナ、無線機、発電機などなど相当な重量の機材が有るので自動車で運搬可能な場所で無ければならない。それらの条件の中でヨーロッパに電波を飛ばす事が出来そうな場所を1/25,000等高線図などを参考に今回の運用場所を探し出した。 機材などの準備が整ったところで天候の安定な時期を見計らい、9月14日、いよいよ現地に向かって行動開始した。
国道352号線は、この写真の位置から何十メートルか先の左側に有る「御池駐車場」までは観光バスが行き来する尾瀬への玄関口として道路も広く、交通量もそれなりなのだが、そこから先の国道は毎年約7ヶ月間の長期に亘る冬期間閉鎖となる僻地国道となる。 いわゆる尾瀬へは、御池でシャトルバスに乗り換えて県道を沼山峠へ向かう事に成るのだが、私の行き先は、国道を更に新潟県境方向へ進むことになる。
前方に尾瀬の主峰「燧ヶ岳」が見えている。目的地は、御池から間もなくの地点にあった。そこは、国立公園の境界線の少し手前だが、明らかに国立公園内の場所なのだ。
国立公園内を示す地図に今回の目的地を記入して置いた。
GPSが明らかに、その地点を指している。何故この場所なのか、ここは標高1400mで、この場所からはヨーロッパへのルートが開ける真北から西へ約30度の方向に障害になる高い山や尾根を辛うじて避けられそうなのだ。少しでも手前の場所では右側の1700mの尾根が邪魔をしてしまう。GPSの等高線がその事を明らかに示している。
車を道端に停めたが、横の薮の先は切り落ちた崖で、アンテナを張るには大変な状況であったが、辛うじて車線に入らない範囲に張る事ができた。このブログの9月12日版に書いた「ジャンク再生」で作ったアンテナチューナーが、ここで役だったのだ。 この地点に車を停められる場所があるかどうかは、一つの賭けだった。昔、別の目的で何度か通った記憶で、所々に車のすれ違いや故障車の為の空き地が有った事を覚えて居たのだが、実際にその場に着いて、目的地よりも少し条件が悪かったが何とか目的を達せられそうな地点に車を停める事が出来た。この時期車は滅多に通らないのでこの様な道ばたを占拠する様な、本来しては為らないことを敢えてさせて頂いた。(実際にこの場所で夕方から夜中までに通った車は3~4台であった)
日暮れ間近に何とか設営が終わって、何とか運用開始出来た。心配した事だったが、ヨーロッパへの電波の飛びは決して良い状態では無かったが、貴重なJAFF-019のサービスを行う事に成功した。夜中の0時半まで運用、コンディションの低下する時間になったので終了。15ヶ国、41局と交信できた。後片付けが終わったのは午前1時半、翌日の運用予定地「越後三山国定公園 JAFF-051」の事もあるので、予定のキャンプ地まで約20Km走って就眠したのは午前3時であった。
アンテナは、アルミパイプや銅線を使って作るのだが、形や大きさなどで使える周波数が決まるので、綿密な設計に基づいて作る事が出来る。
しかし、アンテナを無線機に繋ぐケーブルと、上手に繋がないとアンテナの力が充分に発揮出来ない。 そこでアンテナとケーブルを繋ぐ間で互いを最高の状態で結びつける為の装置が必要になるのだが、その装置を「アンテナチューナー」とか「アンテナ・カップラー」と言う名で呼んでいる。
今回目的があってそのアンテナチューナーを作ったのだが、目的などは、
http://ja7ic.dxguy.net/P-Weapons/MobileAntenna.html#14M 「πマッチ・チューナー」に掲載
(πマッチは、チューナーの回路的な分類による名称)
ハムフェアで買ったジャンク部品、一個50円計200円で買った