飯豊連山から流れ出る清流、万年雪のカイラギ沢(梅花皮沢)、石転ビ沢など、飯豊連山からの流れを集める玉川。
写真は、国民宿舎梅花皮荘への入り口、玉川を渡る橋の上から上流を見た風景で、建物は、国民宿舎 梅花皮荘だ。
梅花皮荘で温泉に入ったあと、玉川沿いに上流に向かって歩いてみた。
今から、54年ほど前になるが、1962年の夏、当時勤めていた会社の同僚と二人でこの道を歩いて、梅花皮沢、石転び沢の万年雪を踏んで、尾根へと登り、飯豊山頂を経て福島県山都町(現在の喜多方市山都)へ下った3泊4日の縦走を果たした事を想い出していた。
あれから 54年の月日がっ経った今、同じ道を辿ってみたく成った。
折角温泉に浸かったのに、また汗をかく事になりそうだ。
雪解け水で流れは轟々と音を立てて居た。
同じ道を辿ると言っても、山へ登ろうと言うのでは無く、少し上流に「旭又滝」があるので、その付近まで行ってみる予定だ。
辺りは木々の新芽が吹いて新緑が目映かった。
コブシの白い花が一際目を引いた。
道を辿ると間も無く国立公園の看板が現れたので、この辺りから国立公園エリアに入るのだろう。
周囲の崖から幾筋もの小滝が勢いよく雪解け水を本流に落とし込んでいた。
清澄な流れが時には激流となり、時には深い淵を成し、飽きる事の無い景色を与えてくれた。
目的の「旭又滝」は、道路から100m位やぶの向こう側に木の間からのぞき見る事が出来た。 滝名を書いた標識も無く、忘れられたかの様に、しかし堂々と流れ落ちていた。
この白黒の写真は、1962年当時の写真だ。写っているのは私で、同行のMさんがシャッターを押してくれたものだ。
当時は、道路の直ぐ傍に滝があって、滝の下で記念写真を撮ったり出来たし、傍には滝名の看板が立っていた。
この滝は観光には役立たないのだろうか? 無念を感じたのは、私のセンチメンタリズムの結果だろう。
旭又滝を見てから、更に少し先まで歩いた。
冬期閉鎖中の「飯豊山荘」まで歩いて付近を散策して楽しんだ。
キクザイチゲ(別名キクザイチリンソウ)が沢山咲いていた。
腹も空いたし、脚も疲れを感じたので、ここから戻る事にした。
54年振りに訪れた懐かしさをかみしめながら、てくてく、てくてく、歩いた。 凡そ往復15km位だろうか、などと考えながら歩いた。
途中で脚を引きづっている爺さんに会った。「幾つ」って聞いたら67だって、「若い若い、俺は78だよ」って空威張りして見せた。
爺さん、悪びれもせず「脚が軽やかだね」って、、、梅花皮荘の駐車場まで、お互いにもう少し頑張ろう。と声を残してすたこら歩いた。