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移民政策の課題と反動 

2015年01月28日 | 国際
フランスの連続テロの影響は大きい。

ややもすれば、移民受け入れに急ブレーキがかかるりかねない。


フランスで移民排斥や反イスラム主義を掲げる右翼政党「国民戦線」が、

連続テロによる不安の高まりを受けて勢いづいている。


日本においても、邦人救出に自衛隊派遣も検討されているという。

もはや対岸の火事ではなくなった。


これらは何を意味するのか。

ナショナリズムの台頭、右翼思想の拡散である。


その根底に、勧善懲悪の考え方がある。

面白いことに、

そもそもイスラームislamという言葉はアラビア語で勧善懲悪という意味であるという。


勧善懲悪とは、

「善を勧め、悪を懲しめる」ことを主題とする物語の類型の一つなのだが、

イスラムの教え、「善行を指導し悪行を禁止する(こと)」と完全に一致する。


日本における、時代劇、アメリカにおける西部劇は

ほぼすべて勧善懲悪に沿ったストーリーで構成されている。


戦争好きなアメリカの論理は、完全にこの西部劇の流れから来ている。


ところが、イスラム原理主義派においては

勧善懲悪の実施を信徒の義務と考えており、

日本のように物語上のフィクションではなく

現実社会において行わなければならない行為と位置づけられている。

この場合に正義とは、悪とは何かという問題に対してイスラムにおける正義が用いられる。


どちらも正義を名乗り、悪を懲らしめるという名の下に対立を余儀なくされるのだ。


そこに、水戸黄門ばりに日本が勧善懲悪を振りかざしてしゃしゃり出れば

その先がどうなるかは火を見るよりも明らかである。


これこそが歴史上幾度となく繰り返されてきた戦争への道程に他ならない。

ナチスのユダヤ人のように、悪役を作るために排斥運動が起こる。

そして、イスラム教徒、厳密に言えば原理主義者。


今、世界の流れはグローバリズムあるいはボーダレスと

ダイバーシティ(多様化)およびインクルージョン(包括)の方向へ向かっていたはずだ。


それが、その流れに逆行するかのように

お膝元であるフランスで排斥運動が起きつつある。


安倍首相の動きは、人質事件を生み、

集団的自衛権の拡大解釈で日本を戦争の道へと引きづり込もうとしているかのようだ。


アベノミクスが事実上失敗に終わった今、

国民の目を外に向けるのは政権の常道とも言える。


かつての東条英機、日本のヒトラーにならないことを望むばかりだ。

ここは、日本人の良識に期待したい。


日本を救う道は、移民の受け入れにかかっている。

治安の乱れと、労働機会の喪失というフランスの課題をクリアしなければ

日本に日が差すことはないだろう。


移民に対する偏見や排斥は、

むしろテロを引き入れる起爆剤になりうる可能性を有することを忘れてはならない。


それは国民の意識の問題でもある。

民度が試されている。



【追記】

オバマ大統領がインドを訪問し、

南から中国への包囲網を形成しようとしている。

キューバとの国交樹立を目指し、ロシアとの分断を図る。

そうした一連の動きにも注目したい。

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