世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

マカオに行ってみて

2017年01月21日 | 
今回マカオに行ったのは、

カジノで一発当てようと思っていった訳ではない。
(当たればいいな~とは思ったが)


     いざカジノヘ(嬉しそう)


その証拠に、

ボクはスロットで100香港ドル(約1500円)使っただけだ。

(一時は儲かったが、結局30分ですってしまった)


では何をしに行ったかというと、

熊本に、特に西原村にカジノを誘致するためのマーケットリサーチのためである。


      中は撮影禁止


世界の3大カジノであるラスベガスとシンガポールに入ったが

マカオはまだ行ったことがなかった。


そのほか、韓国、マレーシア、そしてカンボジア(ベトナムとの国境)を見て、

日本にどのような形で誘致すればいいのかのヒントを得た。


しかも、東京や大阪といった大都会でなく、

ローカルもローカル、ド田舎に作るためには何が必要かを見極めなければならない。


そのためには既存のカジノを現場で体験する必要がある。

まず「現場へ行け!」

これがボクの一貫したやり方である。


そこで、

ラスベガスとマカオとシンガポールの違いを

収益比率で見てみるとある程度分かる。




なお、

2006年度、マカオのカジノ収入が70億ドル(約8314億円)に達し、

ラスベガスを抜いて収益では世界最大のカジノとなった。


人口60万人(熊本市70万人)の街に年間2500万人の観光客が訪れる。

しかもその大半が中国人(しかも富裕層)である。


ただし、

マカオにおける2014年12月のカジノ収益が30.4%という過去最大の落ち込みを記録し、

通年においても前年比で2.6%の落ち込みを記録した。

また、マカオのカジノ収益が2014年6月以降連続して前年割れが続いている。


その原因として、VIP向けの高額カジノが前年比20%近く減少していることがあげられており、

同じくシンガポールでもVIP向けの高額カジノが前年比20%以上減少している。

(韓国のVIP向けカジノ市場は前年比40%を超える伸びを示している)

それは中国の景気減退と習近平の政策にもよるところが大きい。



カジノの内容自体も

ラスベガスはスロットマシーンが多いのに対し、

マカオではバカラが人気がある。

ハイローラー(高額ベットする人)には特に人気がある。

しかも、

マカオカジノでの売上は実は7割以上が

VIPルームでのバカラによる売上だという。


つまり、マカオではスロットゲームよりテーブルゲームが主体である。

スロットでジャックポッドを目指すならラスベガスに行くべきだ。


カジノ場特有の派手さも圧倒的にラスベガスが上回ってい。

マカオにはバニーガールがいない。

アルコールは置いていない。

(これにはガッカリ)

(ホントはこれが目的だったのだから)


カジノ頼みなので、いわゆるショーが少ない。

お目当てのダンシングウオーターショーはお休みだった。

マジックショーは見たけど。


      前座を務めるマジシャン


ラスベガスは、

1990年代にカジノ中心のビジネスから、

テーマパーク型のホテルや大型のショーを誘致したことで、

総合エンターテイメントへと路線をシフトすることにより成長を続けてきた。


今やラスベガスは、

ボクシングなどのスポーツイベントやマジックショー、シルクドソレイユ、人気歌手のコンサートなど、

イベントや興行において切っても切れない関係となっている。

またラスベガスのホテルや街そのものがテーマパークの中にいるような非日常を提供することで、

アメリカ全土から、そして世界中からの観光客を呼び込むことに成功し、現在のような収益構造となった。


そのため、カジノが収益に占める割合は相対的に小さくなっている。


ただ、リノやラフリンといった アメリカの地方カジノは、

大半はカジノの収益となっており、

また顧客の多くは車で1~2時間の50マイル(約80km)圏内の周辺住民となっており、

そのモデルは大きく異なる。


これは、日本の地方都市にカジノを誘致するうえで重要な意味を持つ。


マカオは、

ラスベガスとは反対に、カジノに特化、

さらにはVIP向けの高額カジノに特化することで、

世界最大のカジノ都市にまで成長した。


収益の7割以上はカジノが占めており、

またそのうちのさらに7割近くが、

VIP向けの高額をかけ合うバカラというカジノサービスとなっている。


いうまでもなく中国人を中心とするアジアの富裕層がその対象となっている。


こうした富裕層は、


通常一晩で数百万円~数千万円を使っており、

カジノ間での富裕層の奪い合いが激化している。


自宅からの送迎にはじまり、

スイートルームでの滞在、飲食代などすべてが無料サービスとして提供される。

ただ、収益の半分近くを一部のVIP、そしてVIP向けの特定のカジノゲームに依存することのリスクは当然ながら大きい。


日本では(特に地方では)、

特定の富裕層に収益を依存することなく、

またカジノ(特に高額カジノ)の収益に依存することのない統合型リゾート全体で収益をバランスさせていくことがポイントになるだろう。


この点、ラスベガスの収益構造が目指すモデルに近いかもしれない。

つまり、ショーやイベント、ショッピング、飲食の比重の高いモデルとなるだろう。


(カジノを含む)統合型リゾートというのは、

一般的なビジネスとは異なり、

狙うべき収益構造や規制によるコントロールをはじめから想定し、

そのための実行計画をつくり、

最適なパートナー(カジノオペレーター)を選定していく必要がある。


特にアジアで先行していたカジノが変調をきたす中、

確実に持続可能なビジネスモデルを構築していくためには、

今までの世界の過去事例にない創意工夫も必要となるだろう。


それを今回のマカオの旅で学んだ。

あとはどう生かすかが問題だ。