書道家Syuunの忘れ物

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新聞週間によせて、読売の「戦争責任論」

2006-10-14 00:04:11 | マスコミ照魔鏡
新聞週間によせて、読売の「戦争責任論」

読売新聞が昨年8月から連載した企画「検証・戦争責任」‥論。
第一部は、「1928年(昭和3年)の張作霖爆殺事件から、45年8月に終戦の詔勅が出されるまで‥」
第二部は、「満州事変から日中戦争」「日米戦争」‥‥‥戦局における政策決定の実態等をつぶさに検証。その他「総まとめ」‥‥戦争指導者の責任論。
さて、ここで妙なことに気がつかないであろうか。検証が1928年からという事だ。‥‥というのは、1923年8月17日に「日英同盟」が失効しているということなのである。
その他、陸軍‥悪。海軍‥善というステレオタイプの神話が見え隠れする。
第一、Pearl Harborは海軍が実行したことである。この奇襲(?‥やらせた可能性が強い)が無ければ直接的な武力行使は起こりえない。精々、中国奥地の「フライング・タイガー」‥米義勇軍航空部隊との戦闘ぐらいであろう。
又、近年のロシアの情報公開で、「張作霖爆殺事件張霖某事件」は、ソ連の諜報謀略部隊の実行である事が濃厚になっている。実際、当時の日本の特務機関が実行したという証拠はなく、「暗殺しても利益が少なかった」から日本の仕業というのは元々疑問であった。

こういう歴史論見るとなんだか分からなくなるから、坂道に向かって進んでくる「荷車」を例にすると分かりやすい。
すると読売の戦争論はこの荷車が坂を転げ落ちる時の責任論である。
だから、荷物が落ちたの、道脇のものを崩したの、人を撥ねたのと言うことになる。当然持ち主が悪い、操作していた管理者が悪い、止めなかったのが悪いと言う話だ。
挙げ句の果ては、車を外してしまえば坂を落ちないと考える人たちだ。
しかし、普通こういう事で検証するのは、何故「坂道を転げ落ちるようになったか」と言うことだろう。
だからまず、荷車の「車止め」を外した者。止めようとした人を排除し、坂の方向に常に進路を非調整した者。坂の方向に進むように押した者。止めるブレーキを壊した者。まあ色々と考えられる。
即ち、荷車の「車止め」を外した者。とは1923年8月17日に日英同盟を廃棄した人物と言うことになる。日英同盟は、当時の日本のみならず、あのチャーチルでさえ廃棄反対であったものである。それを独断で廃棄した人物がいる。
幣原喜重郎男爵。後に総理大臣にもなり、MacArthurに「非武装」を進言したというから、どういう人物か想像できるであろう。