デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

「芸能と差別」の深層

2012-10-13 18:22:54 | 買った本・読んだ本
書名 対談「芸能と差別」の深層 
著者 三國連太郎 沖浦和光  出版社 筑摩書房(ちくま文庫) 出版年 2005

のっけから三國が自分は被差別であることを詳しく話し始め(たぶんこれは周知の事実ということで話していたが)ちょっと驚かされた。お互い格好の話し相手を見つけて芸能について思う存分に語っている感じがした。「竹取物語」のルーツらしきものがアジアにあるとか、「四谷怪談」の悪の根源にある近代性、このあたりの話は実に面白かった。
澤田隆治さんが、三國さんが偉いのは、あれだけの俳優なのに「釣りバカ」に出てることですよというようなことを言っておられたが、あれだけ芸能について調べつくし、名優と呼ばれている彼が、やはり芸能の根っこにあるものを自ら自覚しているからなのだろう。
俳優としてさまざまな賞を獲り、不動の位置を確保をしたのに、あえてアジアを放浪もしている。
そういえばもとアートフレンドで神彰の右腕として辣腕をふるっていた木原さんが、アートフレンドをやめたあとやった仕事のひとつが、映画のプロデュースで、三國が主演した「襤褸の旗」だったかと思うのだが・・・
三國がここでいま書いていると言っていた沖縄を舞台にした小説は結局どうなったのだろう、これもまた気になってしまった。
刺激的な芸能論であった。

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