書名 「震災学」2014年 vol.4
発行 東北学院大学 発売 荒蝦夷
集められた論文のひとつひとつに、問題提起があるのだが、特集で組まれている防潮堤の問題については、大手マスコミの世界でも話題になっているタイムリーなもので、これをもとにもっと広く論議を闘わせるべきではないかと思った。
防潮堤に関するシンポジウムからはじまって、過去の事例(特に奥尻)、あるいは過去の遺産が機能している和歌山の稲むらの灯と呼ばれている160年前につくられた防潮堤を訪ねるルポなど、多方面からこの防潮堤のことが検討されている。安全性だけの問題ではなく、生態の問題(これは直接漁業という生業にも関わってくる)、生活の問題、景観の問題(これは観光資源という問題にもつながる)、まちづくりの問題、経済的な問題(つくればいいだけでなく、メンテの必要性)、いろいろな要素がかみ合ってくる。だからこそ慎重に、拙速ではなく、しっかりとした検討を加えたなかでどうするかを考えないといけない。それをこうした「震災学」と題した雑誌だからこそ、しっかりと提示できたと思う。
ここでなされた論議、問題提起をさらに広めることがとても大事になる。
発行 東北学院大学 発売 荒蝦夷
集められた論文のひとつひとつに、問題提起があるのだが、特集で組まれている防潮堤の問題については、大手マスコミの世界でも話題になっているタイムリーなもので、これをもとにもっと広く論議を闘わせるべきではないかと思った。
防潮堤に関するシンポジウムからはじまって、過去の事例(特に奥尻)、あるいは過去の遺産が機能している和歌山の稲むらの灯と呼ばれている160年前につくられた防潮堤を訪ねるルポなど、多方面からこの防潮堤のことが検討されている。安全性だけの問題ではなく、生態の問題(これは直接漁業という生業にも関わってくる)、生活の問題、景観の問題(これは観光資源という問題にもつながる)、まちづくりの問題、経済的な問題(つくればいいだけでなく、メンテの必要性)、いろいろな要素がかみ合ってくる。だからこそ慎重に、拙速ではなく、しっかりとした検討を加えたなかでどうするかを考えないといけない。それをこうした「震災学」と題した雑誌だからこそ、しっかりと提示できたと思う。
ここでなされた論議、問題提起をさらに広めることがとても大事になる。