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デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

感想 2 九州の英吉ファンより

2023-09-08 09:02:25 | 石巻学8号
昨秋の初めての石巻訪問の際、一番に会いたかった英吉さんの作品のところへ、借りたばかりのレンタカーで走ったことを思い出します。博物館のあのスペースで実際の彫像を前にして、英吉さんがそこにいるような息づかいを感じ、深い感動で動けなくなったのを思い出します。作品の数ではない、年齢も関係ない…見る人にこの感情を起こさせるという、英吉さんの力を感じました。
今回号の、大島さんの三つの文章や、何人もの方々が語られる高橋英吉さんの
物語に引き込まれました。こんなにも深く多角的に捉えられ、人々の心に深く
根を下ろした人なのだと、まさに「生きている高橋英吉」ですね。
大島さんの最初の「小伝」は、とても分かりやすく物語の入口にふさわしいと
思いました。鈴木多利雄さんや同級生のお話に、英吉さんのお姿がまざまざと
浮かびます。「戦場からの絵ハガキ」も、ふだん目にできないものも掘り起こ
され、中でも船のハッチの窓に大きな眼をひとつ描いた絵はとても印象に残
り、英吉さんの心情に想いを馳せました。「こころの版画家」も、幸子さんの
独学から始まったという木版画とストーリーを読んで、温かい気持ちになり
ました。もしもお母さんのすすめに従わず芸大にすすまれていたら、また違う
道を歩まれたかもしれないと想像しましたが、幸子さんのお人柄は持って生ま
れたもので変わらないでしょうね。
表紙にもある「童子和音」ですが、鈴木哲也さんの文の中の、写真の横顔が
とても美しく惹かれました。本物をぜひ見たいと思いました。石膏像をよく
ここまで追っておられるなと思い、木彫像が発見される日を祈りたいです。
「少女像」のことも何ヶ所か出てきますが、写真を見てみたいと思いました。
この作品だけ宮城県立美術館にあるのはどうしてなのでしょう?次回寄ろうと
思いましたが、2025年7月まで休館とのことで残念です。「ガ島戦」を読ん
で、35年前に亡くなった父を思い出しました。海軍でボルネオまで行った、
ということしか聞けなかったことがとても心残りです。英吉さんの最期にも
言及されていることや詳細な調査など、初めて知ることばかりでした。
昨秋の石巻の三日間の滞在中、ラストラーダであがた森魚さんの歌を聞き
映画を見たこと、大島さんのサーカス世界漫遊記の映像とお話、そして
三國裕子さんのお話と朗読を聴くというすばらしい時間を過ごし「石巻学」
の世界を少しだけ生で感じることができ感激しました。(匿名希望)

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「石巻学」8号の感想

2023-09-06 18:39:40 | 石巻学8号
「石巻学」8号で「介護の現場から2」を執筆した千葉祥裕氏から感想が寄せられましたので、ここに掲載させていただきました。

 「石巻学 8」昨日勤め先に届き、帰宅してさっそく読み込ませていただきまし た。お陰様で寝不足です(笑) また今回も私のエッセイ?を載せて下さり、ありがとうございました。光栄です。
今回の特集は石巻が生んだ彫刻家「高橋英吉 氏」。大変ボリュームのある文章でし た。 恥ずかしながら、この高橋英吉氏という存在を、今の今まで存じ上げず、今回石巻学 8を手に取って初めてその人に触れることになりました。 戦前の芸術家や文化人は、その時代の背景の中でどの様な活動をしていたのか。言 論・思想が自由になった今の世では考えられない制約もあったでしょう。 今回、大島さんを始め、寄稿された先生方が記述した内容は、関係者への聞き取りや 当時の手紙をもとに、高橋英吉とひとりの人間の人生を浮き立たせてくれています。 これは私たち介護の業界の人間が、利用者の「生活歴」を表現するのと似ているので はないかと感じました。
彫刻家として、仏像の他にも漁夫などの海で生活し働く姿も彫られていたようです ね。 実際に彼が生きてきた時代の石巻には、こうした格好で海で働く人々がいたのでしょ う。 そして生き生きとしています。目の前の生活の光景を形に残そうとすると、心と魂が 籠るものなのでしょうか。

今年のお盆に実家に帰省し、墓参りに行きました。 我が実家の墓地の一角には、戦地で亡くなった方々の墓があります。 もうボロボロで、彫られた名前も判読しにくくなっています。 過疎化が著しく、もはや供養する親族も地域にはいなくなっていますが、地区の人々 が今も守り、供養をしてくれています。 その墓には、遺骨は入っていないそうです。彼らは今も戦地にいるままだそうです。 もう戦死したその方々と面識がある年代層の方はもう地域にいないそうですが、その 墓の前で泣いて手を合わせていた親族を見た記憶がある方は、まだ相当数いらっしゃ います。 だからお墓参りの時期には、親族の供養の他に、これら戦没者の供養することを地域 では自然に当たり前のこととして続けられているそうです。 亡くなった年齢は実に若い。もっともっと生きたかったでしょう。こうしたことを思 うと自然に頭が下がり、手を合わせてしまいます。
その墓の中にはガダルカナルで戦死した若者もいました。もしかして高橋英吉さんと 顔見知りだったかもしれませんね。
人間の足跡や記憶を次の世代に繋ぐことはとても難しいことです。 「うちの故郷には、昔こんな立派な人がいたんだ」ということを伝える語り部はとて も貴重です。
「石巻学」は忘れゆく地域の歴史と文化に光を当てる存在と感じています。次号も楽 しみにしています。
 千葉 祥裕(ちば あきひろ)
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石巻学8号石巻・ヤマト屋さんで山積み

2023-09-01 11:31:41 | 石巻学8号

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石巻学8号できました

2023-08-31 11:51:51 | 石巻学8号
石巻学8号がついに刊行されました。
とてもいいものに仕上がりました。
その一部をご覧ください。

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石巻学8号予約受付開始します

2023-08-18 07:46:36 | 石巻学8号
石巻学8号「生きている高橋英吉」が今月末(28日ころ)刊行されます。
今号もまた頁を増やしましたが、値段は1650円(税込み)と据え置きのままです。
予約受付を開始しました。。

メールで下記のアドレス(大島幹雄のアドレス)まで、お名前、送り先の住所、希望部数をお書きの上、お申し込みください。刊行後振込案内を同封の上、お送りいたしますので、到着後1週間以内にお振り込みください。
今月末までお申し込みの方は、送料は無料とさせていただきます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
9月以降のお申し込みについては、送料(実費)をいただくことになります。
お申し込み先
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