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あの試合から30年(WBCジュニアバンタム級:1994年8月7日)

2024年08月07日 05時43分51秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の明日となる1994年8月7日、有明アリーナで行われた試合結果です。
WBCジュニアバンタム級戦(現スーパーフライ級):
王者川島 郭志(ヨネクラ)判定3対0(118-110、117-113、115-113)挑戦者カルロス サラサール(亜)

*この試合から3ヶ月前に、見事のボクシングで新チャンピオンの座に輝いた川島。この初防衛戦では、指名挑戦者サラサールの挑戦を受ける事になりました。

南米の刺客が指名挑戦者といっても、彼は決して最強挑戦者ではありませんでした。この試合が行われる4ヵ月前、サラサールは同王座への挑戦権を賭けマルコ アントニオ バレラ(メキシコ)を地元のリングに招聘し対戦しています。その試合は2対0と僅差ながらも、敵地での試合となったバレラが勝利を収めています。しかし、バレラは試合前の計量でジュニアバンタム級のリミットを作れず。試合は予定通り行われバレラが勝ち星の名乗りを受けましたが、世界王座への挑戦権はサラサールが獲得しています。獲得と言っても、試合前に試合の勝敗に限らず挑戦権が「確約されていた」というのが妥当な言い方でしょう。

(指名挑戦者と対峙する川島)/ Photo: Youtube

変則的な形で指名挑戦者の地位を獲得し、来日したサラサール。前哨戦で黒星を喫しているとはいえ、中々の実力者です。サラサールはこれまでに、タイと韓国のリングで世界戦のリングに登場。それぞれの試合で消極的なボクシングが災いし、王座奪取なりませんでした。

今回の川島との一戦も、挑戦者らしからぬ受け身のボクシングを展開。リング中央での打ち合いでも、王者の多彩なパンチを防ぐのが一杯。また、接近戦でも遠距離でもスピード負けするという始末。しかしその防御技術は確かなもので、決定的なダメージを被ることはありませんでした。

対する川島は初防衛戦にもかかわらず、すでに安定王者としての雰囲気を醸し出していました。持ち前の華麗なフットワーク以外でも、世界のトップ選手に打ち勝る技術があることを証明。大差の判定で勝利を収める事に成功しました。

当時よく聞かれていたことは、その後10年あまりも世界ボクシングの牽引車の一人に成長していったバレラとの一戦を観たかったという事。実現してほしかったですね、「川島対バレラ」という軽量級の黄金カードを。

3度目の正直ならなかったサラサール。川島戦が最後の世界戦だと思われていました。しかし翌1995年10月にIBF同級王座を獲得してしまい、防衛まで果たしています。その後一階級落としWBO王座を獲得。驚くことにその王座は、何と5連続防衛に成功してしまいました。アルゼンチンからは時々しぶとい選手が現れますが、このサラサールもその一人と言っていいでしょう。


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