キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

春に三日の晴れなし

2007年04月22日 | Weblog
昨日は初夏を思わせる暖かさで爽やかな風が吹いていたのですが、今朝は一転して雨。ただし南陽気で暖かな雨になっています。昨日は晴遊雨読の方針の下、春盛りの湘南を徘徊しておりましたが、先週まで紫の女王に君臨していた花蘇芳は最後の色香を留めるのみ、今週は藤が女王の席におります。紫のすだれが見事に先まで伸びきり艶やかな姿、随分多くの見事な藤を見ることが出来ました。躑躅は咲き始めたばかり、大紫、霧島は来週には春の花の女王に君臨するでしょう。小手鞠、花水木の白い花も今が盛り。ほんの二時間ばかりの散歩でこれだけ花を楽しめるのは今を置いて他に無いかもしれません。春爛漫を楽しんだ徘徊でした。

さて、昨日は少し歩き過ぎ思ったよりも疲れていたようです。積読の解消をと思いつつ睡魔に負けてしまいなかなか捗りませんでした。それでもここのところ熱中しているシミタツの「行きずりの街」を読んでおりました所、初めての酒であるマーテルが出てきたので、少し嬉しくなりました。シミタツを系統的に読んでいるわけでなく恣意的に読んでおりますので、マーテルが出てきたのは偶然に過ぎず本来特別の意味も無いんですが、それでも私にとって新しい酒類が出てくるとつい嬉しくなります。作中の登場人物の大学の学長にこのコニャックを飲ませているのですが、いやな事を忘れるために飲んでいる酒です。コニャックの愛好家の私としては誠に不本意な飲まれ方です。ちなみに今回の主人公はスコッチオンザロックスを飲んでおります。ハードスピリッツが出てくるのは、この本の調子がハードボイルド的であるかも知れません。

今朝の雨、このまま一日降り続くようだと積読解消にとっての恵みの雨。しかし今週が盛りの藤のことを思うと恨めしい雨です。止んだ隙にでも今年の藤をもう一度目に焼き付けておきたい。短い命の花を愛でるのに一刻の猶予もありません。本の命も短くて、インクが印刷してから一週間で消えるとしたら、知性豊かな教養人が一人湘南に生まれていたかもしれません。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 積読の効用 | トップ | シャンパーニュ試飲商談会 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事