キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

ワインの熟成

2007年05月28日 | Weblog
奈良で現在ワインショップをやっているK君は、20年前に私を初めてシャブリに連れて行ってくれました。当時縁有って、うちで購入したブルゴーニュ北部のシャトーの管理人を引き受けてくれていました。シャトーからシャブリの街までは30分程度だったのではないかと思います。彼はワインが大好きでしたから、たびたびシャブリを訪れては幾つかのドメーヌで試飲を重ねワイン鑑定家としての経験を積んで居たんだと思います。彼が推薦したシャブリは「ジャン・コレ」でセラーの見学と試飲をさせていただきました。当時私はワインを仕事で少しはじめたばかりで、ワイン試飲の経験も少なく、それまで培った食い物飲み物全般の味覚でワインを判断していたんだと思います。ですから一級であろうと特級であろうと味わいに感激は無く、K君の判断に従いジャンコレの輸入を開始したような気がいたします。

販売をしてみると思いのほかジャンコレは評判がよく、かなり高いにもかかわらず一定量が売れるようになりました。ロバート・パーカーさんの評価に負うところも多かったんだとは思います。オーナーのジル・コレと奥さんが横浜に来られて、今は無きマルシェ・ド・サブールで楽しく会食したこともありました。ジルが帆立のグリルを食べて悦に入っていたのを今でも思い出します。しかし、残念なことにある日突然日本の代理店は他の輸入元になったからもう出せないとの連絡があり、それ以後輸入は中止いたしました。仕入れた一級のヴァイヨン20ケースほどに漏れがあり、取引終了後も数年間倉庫でワインが忘れ去られました。90年代初めのころこれに気がつき、輸入販売責任者でしたので処理をし、5ケースほどはワインを買い取り自宅に送りました。確かヴィンテージは88年だったと思うのですが、1ケースを開けて先ず液面を見ると、いっぱいに入っているものから、肩口までしかないものまであります。これを液面の低い順に並べて、低いほうから毎日一本づつ飲んだわけです。酸化熟成は液面の低いものほど原則的には進んでいるはずです。実際そのように感じました。しかし、味わいはこれとそれほど関係なく、12本中この世のものとも思えない素晴らしく美味いものが2本、美味しく飲めないものが2本、並な物が8本という比率でした。これは5ケース全部飲んだ時の感じです。2ケース目からはこのパターンが大体類推出来、素晴らしく美味いのがあることが確信できるので、それを求めて一晩で数本のみ散らかしました。

今日はジルの知人でもありますご存知オリビエ・トリコンと金沢へ旅立ちます。これから羽田に出かけなければなりません、この話の続きはまた明日ということで、では行って参ります。
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