キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

晴遊雨読

2007年02月11日 | Weblog
昨日は日中陽が出て、朝の様子からは想像できないくらい暖かな天気になりました。茅ヶ崎の街まで買い物に出かけ、お気に入りのパン屋と書店を覗きました。一昨日は赤江さんの発売された本を買って直ぐに引き上げたため、昨日はじっくりと眺め堪能いたしました。最近は各社の文庫と新書の充実が目覚しく、気になるものを選んで買っても読み切れないくらいです。嬉しいですね日本は、こんなに手軽に低価格で本が買える国は他にそうは多く見つからないと思います。江戸時代から識字率の高さが世界でも有数だったことや、最近格差社会と言われるものの、世界的に見たら格差が少ないのも大きな要因のような気がいたします。

ともあれ、目移りした中から、河出文庫・色川武大著“寄席放浪記”ちくま文庫・安倍なを著“小鉢の心意気”ちくま新書・佐和隆光著“この国の未来へー接続可能で「豊か」な社会”の三冊を購入いたしました。

色川さんは“マージャン放浪記”の頃からのファンで、何ともいえぬ味わいの短編も好みですし、彼が幼い頃から親しんだ芸人や映画について書かれたものもたまらない魅力です。86年に出版されたものです。少し目を通したところ、色川さんらしく売れなかった落語家のことが優しいまなざしで語られております。予想したとおりの本でした。

阿倍さんは始めての方で良く存じ上げませんが、青森のご出身、人形作家で後年上野で“北畔”というみちのく料理の店を出されていたようです。昭和55年に家庭画報に連載された“味覚歳時記”がメインに収録されています。料理のレシピーもついており、私としてはとても興味をそそられました。昨夜少し目を通したところ、やさしい語り口で少女時代の青森のことも書かれており、ゆっくりしたリズムが何とも魅力的な本でした。お酒やワインに関することも書かれております。

佐和さんの著作は何時も読ませて頂いております。社会の諸問題について広く目配りが行き届き、門外漢の私にも分かりやすくその問題点と処方のヒントが書かれており、受けを狙った経済学者や評論家が多い中で得難い存在だなあと感謝しております。

まあこの三冊をこの三連休で読了するくらいなら、私ももう少しまっとうになっていたのでしょうが、今日の湘南は朝から快晴。今日を逃したら湯河原の梅は三分咲きを過ぎて、私にとって見る影も無くなると思えば心はそぞろ。何はさて置き湘南電車に乗って湯の町湯河原へ行く事といたします。あしからず。
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