▼近年「品格」という言葉をよく耳にする。「国家の品格」や「横綱の品格」などだ。品格ある人物とは、立ち居振る舞いや発言に卑しさがない、そんな人を言うのだろう。
▼では国に品格があるかと言えば、味合い深い日本の四季が織りなす風景は、品格そのもののような気がする。ゆえに国民も、品格が備わる風土に住んでいるということだろう。
▼しかし、国家を運営する政治家たちに、品格は見当たらないような気がする。アベ総理やアソウ財務相の国会答弁などは、品格なしの最たる人物だからだ。というより、政治というものが品格とは無縁な存在なのだろう。
▼心技体が充実して初めて横綱の品格が備わるといわれるが、半世紀以上も相撲フアンの私が見ても、白鵬の強さはは史上最高だと思うが、品格が十分かと言われればそうではない。
▼悲劇の横綱と言われた稀勢の里は、品格は白鵬より上に思う。この差は何かといえば「謙虚」や「潔さ」の差だと思う。だが、自分自身にない品格について話してもしょうがないので、この辺でやめようと思う。
▼でも、テーマに設定してしまったので、我が北海道の品格について、少し考えてみることにしたい。「ボーイズビ-アンビシャス」の自然豊かな大地は「フロンティアスピリッツ」にあふれ、道民は品格を備えるには適した大地に思う。
▼しかし、カジノを中心のIR法なるものが、北海道に迫っている。道はこの法に関する有識者懇談会を開催した。結果、大半が賛同したという。賭博に賛成するような人物を有識者というのだろうか。これこそ品格のない人物というほかはない。
▼IR誘致には、道民の65%が反対している。ロシアの脅威、原発の再稼働、JR支線の存続問題、核廃棄物の処理場など、問題の多い北海道だ。賭博に熱を上げている余裕などないではないか。
▼4月で退任するはるみ知事は、この問題の判断を次の知事に置いていくだろう。賭博場建設を許可したら、その賭博場を「はるみ」と名付けたい。次期知事選の最大争点は、IR法に「賛成」か「反対」かだ。
▼沖縄の県民投票にように「どちらでもない」などの、3択は必要ない。次期知事選は、IR法をめぐる「道民投票」なのだ。与党候補は「賛成」に出るだろう。野党候補は当然「反対」だろう。
▼道民の65%は「反対」であれば、野党候補が勝つという予想だ。これは賭博ではない。民主主義を守る戦いなのだ。それには野党共闘で勝てる候補は、逢坂誠二さんしかいないというのが、私の結論だ。
▼だが、逢坂さんは出馬しないと断言した。そうなれば、自民党は確実に勝つ。逢坂さん国会で活躍したいという。
それでは地盤の北海道を見捨てることになる。
▼9条改正を目論む自民党に北海道など任せたくない。東京の濁った水に慣れてしまい「カムバック・逢坂」と叫ぶ道民の声が聞こえないのだろうか。
▼民主主義を現実的に機能させるためには、民衆の日常生活のなかで、政治的社会的な問題が討議されるような場が与えられねばならない。それにはまた、政党といった純政治団体だけが下からの意志や利益の伝達体となるのではなく、およそ民間の自主的組織が活発に活動することによって、そうした民意のルートが多様に形成されることが何より大事だと主張するのは、政治思想史学者丸山眞男だ。
長谷川宏著「丸山眞男をどう読むか」より抜粋。
▼自民系のはるみ知事に4期を許しているのは、野党が政党の意思だけで候補を決めるからだ。「民意のルートが多様に形成されるような戦略転換」がいつまでたってもできないからだ。ここを立て直すことができるのが、地方自治に詳しい逢坂さんなのだ。
▼北海道にIR法はいらない。そうでなければ、北海道は品格を失ってしまうからだ。道は札幌他7カ所で地域説明会を開くという。函館でもあるので、ぜひ参加してみたい。