▼2019年も、国民を煙に巻くアベ総理だ。新天皇が即位する5月1日に、新元号も発表されると思っていたが、国民生活に支障をきたさないためとか言い、4月1日に現天皇が公布するという。
▼これは天皇の意思ではなく、アベ総理の意思ではないか。
政局は急変している。「沖縄県の辺野古埋め立ての県民投票」・「ロシアとの平和条約締結」に向けた両国の駆け引きも、水面下で沸騰しているに違いない。
▼それらの戦局分析を踏まえ「衆参同時選挙」の声も聞こえている。アベ総理の最終目的は【憲法改正】だ。来年の五輪成功直後には【国民投票】を行う環境を整えるのではないだろうか。
▼2019年から20年にかけ【憲法改正事変】などという、戦後体制を崩壊させる大事変が、我が国ですでに勃発し始めていやしないだろうか。
▼そんな政局を憂いての天皇の「お言葉」の「生前退位」も、利用されるのではないかと推測してしまう、新年の我が国の空模様ではないか。
▼私の推測はこの程度だ。これ以上になるといつもの「邪推の領域」に入ってしまうので、ここは作家・坂口安吾先生に登場していただくことにしたい。
※天皇制というものは、日本の歴史を貫く一つの制度で、はあったけれども、天皇の尊厳というものは常に利用者の道具に過ぎなかった。藤原氏や将軍にとっての天皇制は、彼等自身が主権を握るより、天皇に号令させ自分たちが真っ先にその号令に服従してみせることによって、号令がよく行きわたることを心得ていた。天皇の号令とは天皇の意志ではなく、実は彼らの号令であり、天皇の威厳を利用して彼等が号令をしていた。
※これは藤原氏や武家の物語ではなく、先の戦争にもみられる。軍部は天皇をないがしろにし、根本的に天皇を冒瀆しながら、盲目的に天皇を崇拝しているのだ。これが日本の歴史を一貫する天皇制の真実の相であり、日本史の偽らざる実体なのである。と分析し「ナンセンス極まれり」と看破している。・・・ 白井聡著「国体論」の中の、坂口安吾の文章を抜粋。
▼安吾先生の言葉は、政府自らが国民に煙を巻き散らし、五里霧中の我が国にあって、白内障の手術をしたような、視界がはっきりした感じではないか。
▼新聞の社説たるもの、安吾先生のように、朝刊を開くと目薬を付けたような内容を期待したいものだ。行政の広報誌的内容での購読料金の値上げなら、消費税の値上げ同様、意味のないものだと言わざるを得ない。
▼自民党憲法改正草案では、天皇を【元首】とするとある。
元首とは『①国の統治権を一手に掌握②行政権の首長③外国に対して国家を代表する権能を持つ君主』というものらしい。
▼天皇は、現憲法では③しか行っていない。それなのに元首として憲法に規定する意味は何か。さらに、改正草案では現99条の「憲法尊重擁護の義務」から、天皇を除外している。
▼天皇は生前退位について、高齢で激務に耐えることができないというのを理由の一つとした。だが「日本国及び国民統合の象徴」に、さらに【元首】という責任を追加させられれば、新天皇に過剰な責務を負わせることになるのではないかと心配する。
▼兄貴分のトランプ大統領。「メキシコとの壁」建設で、ヒットラーの「全権委任法」をも思い出させる、非民主的な行動に出ようとしているようだ。
▼こんな凶暴な大統領を、新天皇の即位後、最初の国賓として招待するというのが、子分のアベ総理だ。新天皇は嫌がっているに違いない。私が天皇なら、エリザベス女王に就任報告で外遊するが?!。それを強行するアベ総理の企みやいかに。
▼新聞社には「トランプは歓迎すべきか」というような社説を期待したい。アベ総理による「新元号4月1日公表」で、なんだか身体が揺れめまいがしてきた、北国の片田舎のオジサンの小さな心だ。