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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

寛容でなければ真の独裁者と呼べない?

2019年01月04日 13時02分49秒 | えいこう語る

▼独裁者と言えば「悪魔」に近い人物だ。NO1はヒットラーだろう。最近ではトランプ・シユウキンペイ・プーチン・キムジョンウン・シンゾウなどはその予備軍だろう。

▼昨夜読んだ本の中で「ムスタファ・ケマル・アタチュルク」という名前が出てきた。高校の世界史で習ったし、試験にも出た人物だと思うが、トルコ共和国建国の父ぐらいしか、その人物の記憶は無い。

▼トルコ共和国の初代大統領だが、建国時には独裁政治を行わざるを得なかった。だが、遺体が一時置かれていたアンカラの民族博物館の石版には『我が肉体は滅びるともトルコ共和国は永遠なるべし』と刻まれているという。

▼読売巨人軍の長嶋茂雄さんの引退の言葉を思い出すような文章だ。ケマルは「完璧」でアタチュルクは「トルコの父」だという。「ケマル・ナガシマ」で「Mrジャイアンツ」ということなのだろうか?。

▼だが、独裁者トルコの父は偉大な人物のようだ。有名なガリポリの戦いで、軍民併せ数十万人の命が失われた。その戦場には、豪ニュージーランド兵士に捧げたこんな石碑があるという。

▼血を流し命を落とせし勇者よ
 汝は今 友の国に横たはれり
 安らかに眠れよ
 この地にジョニーとメフメットの違ひなし
 遠き地へ息子を送りし母親よ
 涙を拭き給え
 汝が息子は今
 我が胸に抱かれ安らかに眠れり
 この地に命を落とせし汝が息子
 今や我が息子ともなれり
             アタチュルク(藤原正彦訳)

▼様々な解釈があるだろうが、建国の父と尊敬されるアタチュルク大統領。一見傲慢な文体だが、敵味方なく勇者を称える包容力、この「寛容の精神」を持っていることが、真の独裁者と言われる要因ではないだろうか。

▼「自国ファースト」を叫び「寛容の精神」の欠片さえなき、独裁者の予備軍を自負している人物たちよ。アタチュルクの「爪の垢」を煎じて飲んでもらいたいものだと、湯気立ち上る美味しい煎茶を飲んで思う、1月4日の朝だ。