鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその55~鬼平犯科帳15

2006-07-10 19:24:37 | 鬼平
今回のお気に入りは、鬼平犯科帳パート15、江戸屋猫八です。

江戸屋猫八は鬼平犯科帳に相模の彦十役で出演しています。
相模の彦十は、平蔵が「本所の銕」として暴れていた頃の取り巻きの一人で、火付盗賊改方長官になった平蔵と再開し、直属の密偵第一号になったいう設定。

平蔵と二人だけのときは「とっつぁん」「銕つぁん」と呼びあっていますが、火付盗賊改方の同心や密偵仲間といるときにも、ついうっかりしたフリをして、頻繁に「銕つぁん。・・・いや長谷川様」と呼びかけています。
いかにも昔馴染みを見せびらかすそのワザとらしさがまた「お調子者の取り巻き」らしくてとても好きでした。
そうやって世間を渡ってきた彦十の人生が見えるようでした。

「お調子者の取り巻き」を見事に演じた江戸屋猫八は鬼平犯科帳の最終シリーズである第9シリーズを撮り終わった年(2001年)に亡くなっています。
その後制作されたスペシャルには彦十はいません。ぽっかり大きな穴が開いているようでさびしいです。



(おまけ)
鬼平研究で有名な西尾忠久さんが江戸屋猫八に関するおもしろいエピソードを書いています。
亡くなる2年前、西尾さんは猫八に「彦十って、ほんとうにいた密偵ですかねえ?」と聞かれて面くらった話。
さらに「実はね、最近、鬼平の文庫を全巻買って、読み終わったところなんです」と聞かされ、西尾さん、これには開いた口がふさがらなかったとのこと。
「12年間も彦十をやっていて、原作を読まないであの演技をつづけていたとは・・・。名優なのか、地なのか。・・・」と締めくくっていました。
私は「地」でやっていたに違いないと思います。猫八はそんなに器用な役者には見えなかったですから。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お気に入りその54~ごくせん | トップ | お気に入りその56~ハリーポ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

鬼平」カテゴリの最新記事