鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2209~辻井伸行

2023-03-15 12:32:58 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、辻井伸行です。

昨日、妻に誘われ、6年ぶりに辻井伸行さんのピアノを聴いてきました。
座席は何と前から3列目。
道新プレイガイド会員の特権を活用して、早期予約したことが功を奏しました。
ごく間近で演奏する姿を観ながら演奏を聴くことができると思っていました。
ところが実際に席に着くと余りに近過ぎてピアノの腹が見える位置。
肝心の辻井さんはお顔と足元だけが見えるだけでした。
もう少し後ろで正面より左側の座席が全身を観ることができるポイントであることを学びました。

さてそのピアノコンサートの感想は・・・。
と言っても音楽に造詣のある妻と違い、超ド素人の私の感想ですから、あくまで自分のための記録として読み流していただければと思います。

会場の照明が舞台の上だけに絞られると、会場内の音が消えました。
扉が開き辻井さんが姿を見せると割れんばかりの拍手。
再び静けさが訪れ、演奏が始まりました。
ベートーベンの「テンペスト」という初めて聴く作品です。
一音ずつゆっくりと入っていく曲で、一音目でなぜだか鳥肌が立ちました。
これが音楽の力なんだなあ、と感心しつつ聴き入りました。

前半2つ目のプログラムはリスト、そして中休み。
後半はラヴェルとカプースチンでした。
その中で印象的だったのはラヴェル。
ジブリ映画の挿入曲が随所に感じられることに驚きました。
もしかしたら久石譲さんはラヴェルファンなのかも。
あとで妻に聞いたらジブリ音楽に似ている部分なんて無かったよ、との回答。
どういうことでしょうか?
空耳だったのかな・・・。

全体的な感想として、6年前は若さ溢れるパワフルな演奏が印象的でしたが、今回は高度な技巧が印象的でした。
速弾き過ぎて音が幕のように包み込む場面があったり、ジャズ調・ポップス調の雰囲気を取り入れた難しそうな曲を弾きこなしたりでとても格好良かったです。

アンコールは4曲でした。
あれだけの演奏をした後ですから、まさか4曲も弾いてくれるとは思ってもいませんでした。
クタクタになったことでしょうね。
素敵な演奏に対して感謝の拍手をすることは当然ですが、それが同時にアンコールの催促になるのは仕方ないことなのでしょうか。
途中からはもういいから休んでくださいと思いながら拍手をしていました。
最後に辻井さんが鍵盤蓋を閉じたのを見て、これでようやく休んでいただけると安心するとともに、彼のユーモアのセンスに笑顔にさせられました。

そういえば辻井さんは観客への感謝の言葉をマイクを使わず生声で伝えてくれました。
フジコ・ヘミングさんや反田さんはマイクを使っていました。
いくら音響に優れた会場とはいえ、生声で最後列の方まで聞こえるようにお話されるのには大声が必要です。
彼らしい誠実な大声に対して拍手で掛け合いができたことは幸せな時間でした。

辻井さんのピアノコンサートは終始とても気持ち良かったです。
ぜひまた行きたいと思います。

当日のプログラム
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 1.ベートーベン  ピアノ・ソナタ「テンペスト」
 2.リスト     巡礼の年 第2年への追加 「ヴェネツィアとナポリ」
 3.ラヴェル    ハイドンの名によるメヌエット
           亡き王女のためのパヴァーヌ
           水の戯れ
 4.カプースチン  8つの演奏会用エチュード


アンコール曲
 1.J・S・バッハ 主よ人の望みの喜びよ
 2.リスト     慰め第2番
 3.グリーグ    トロルドハウゲンの婚礼の日
 4.リスト     ラ・カンパネラ
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コメント
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