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鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代半ばのオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2060~竹鶴政孝パート302

2022-03-22 12:11:46 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート302、南極ウイスキーです。
先日、南極観測隊で配布されたウイスキーをネットオークションで落札しました。
南極観測隊のウイスキーは凍結防止のためアルコール度数を高めたコンク(濃縮)ウイスキーです。
現在の南極基地はワインでも凍らせずに保存できるようになり、ウイスキーを濃縮する必要がなくなりましたが、南極観測隊の名物行事としてコンクウイスキーの配布会が毎年続けられているそうです。
配布会では、空き瓶に一人500mlずつ無料配布を受けますが、有料の記念ボトルに入れてお土産として持ち帰る隊員も多いそうです。
3年前に入手したボトルは「角型瓶」で「第59次南極観測協力行動」と彫られていました。
さらに首にぶら下がっている札に「ニッカウヰスキー 鶴17年 55.3%」と書かれていました。
今回入手したボトルは「丸型瓶」で「第54次南極観測協力行動」と彫られていますが、札がぶら下がっていないため、中身についての情報がありません。
ニッカファンとしてはニッカのウイスキーが入っていて欲しいのですが、決め手がありません。
仕方なく「南極」「ウイスキー」をキーワードにネットで検索したところ、次の5つの書き込みを見つけました。

・2007年5月 鶴 およそ60%
・2009年12月 鶴17年 55.3%
・2011年12月配布 鶴17年 55.3%
・2015年 50L缶から配布 鶴17年
・2017年12月 鶴55.5%または55.4%

どれも鶴または鶴17年で、度数は55%ほど。
どうやらニッカウヰスキーの鶴または鶴17年が南極観測隊の定例行事で配られているということで間違いなさそうです。
ニッカファンとしては誇らしい限り。
今回入手した第54次南極観測協力行動は活動期間が2012~2013年のため、検索で出てきた期間の真っ只中に当たり、当然鶴または鶴17年が入っていることでしょう。
安心しました。
2本の南極ウイスキーはどちらも普通のボトルより背が高く細いため、仲良く横倒しして並べていますが、その場合、角型瓶の方が安定します。
丸型瓶から角型瓶に替えたのはそれが理由かもしれません。


お気に入りその2057~竹鶴政孝パート301

2022-03-16 12:05:28 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート301、マイウイスキーです。

コロナ禍になってからニッカウヰスキー余市蒸溜所のマイウイスキーつくりは開催されていないようです。
こんなに長い間、全国のウイスキーファンがウイスキーつくりを体験できないなんてとてもかわいそうです。
2019年秋に2回目のマイウイスキーつくり(上級者コース)に無理をして参加しておいて本当に良かったです。
7年後にはあの時のメンバーと再会を喜びつつ、自分たちで樽詰めしたウイスキーを味わうことができると思うと楽しみで仕方がありません。

2017年、1回目のマイウイスキーつくりの10年目贈呈式では奮発して16本入手しました。
お世話になっている友人知人や息子に配り、行きつけのバーやスナックに置いてもらい、晩酌でもアニバーサリーといって味わっている内に気が付けば残り3本となりました。

この度、仕事で大変お世話になっている方が勇退されることになりました。
お世話になったお礼に彼の好きなお酒を贈りたいと思い、彼の部下にリサーチすると答えは何と「ウイスキー」!
これまでいろいろな場面でご一緒しましたが、お酒の席でゆっくり酒談義をしたことはありませんでした。
もっと早く知っていれば、と悔やまれます・・・。

それはともかく「ウイスキー好き」と判ったからには、彼にぜひ私のとっておきをぜひ味わっていただきたいと思い、秘蔵の1本をお贈りすることにしました。

 シングルカスク余市10年(マイウイスキーつくり 2017年びん詰)

自分で樽詰めして貯蔵庫に運び入れた、とても美味しい自慢のウイスキーです。
永年に渡る重責に疲れた彼の心身を「命の水」が解きほぐしてくれることを願います。



お気に入りその2026~竹鶴政孝パート300

2021-12-31 15:28:18 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート300、奥山儀八郎です。

奥山儀八郎の版画「本邦に於ける本格的ウヰスキーの開宗たる竹鶴政孝先生之像」を入手したとブログに書いたのは2010年4月のことでした。
その後は部屋に飾る順番待ちのため仕舞い込み、他の版画や浮世絵などと一緒にファイリングしようとしたときに行方不明になっていることが判りました。
あちこち探しても見つからず、最近では入手したと思っていたのは夢だったのかも、とさえ思っていました。
仕方ないので再度入手しようと思い、定期的にヤフオクをチェックしていましたがなかなか出品されず今日に至りました。
ところが先日、飾っていた浮世絵を入れ替えようと裏ブタを開けると、中にこの作品が挟まっていたのです。
なぜここに?という疑問より、再会できた喜びで、しばらくの間、言葉も出ず見惚れていました。
マッサンともしばらくぶりの再会です。
そして作品全体を眺める余裕が出てきました。
他の作品よりタテ寸法が長いなとか、銀色の絵の具をこんなに多用していたのか、テーブルの上に魚が3匹あり皿に乗せられていないのはなぜか?など考えながら鑑賞しました。
思わぬプレゼントであり、今年一番のうれしい出来事でした。
もちろん二度と行方不明にならないようにファイリングしたことは言うまでもありません。

ちなみに今回取り上げた版画作品について2010年4月に書いたブログを再掲します。
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今回のお気に入りは竹鶴政孝パート179、奥山儀八郎の版画です。
奥山儀八郎の版画を落札しました。
作品名は「本邦に於ける本格的ウヰスキーの開宗たる竹鶴政孝先生之像」。
奥山儀八郎はニッカウヰスキーと関わりの深い作家ですが、この作品は
その第1号と思われます。
制作は1939年(昭和14年)。
ニッカウヰスキー第一号、ニッカブランデー第一号が発売される1年前です。
ニッカブランデー第一号や現在のX・O白のラベルにも使われています。
この作品は、神田神保町でさがしたときに見つけられませんでしたが、
こうして入手できて本当にうれしいです。
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お気に入りその2110~竹鶴政孝パート299

2021-11-20 12:37:36 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート299です。
昨日午前中は大谷翔平がアメリカン・リーグMVPを受賞したというビッグニュースが飛び込んできました。
道民球団で大切に育て、大リーグに送り出したこともあり、道民は親戚の子が受賞したみたいに大喜びしました。
白人至上主義や人種差別から受賞の壁は高いかなと思っていましたが、まさか満票とは・・・。
大谷翔平を正しく評価してくれたみなさんに感謝感謝です。
その喜びがまだおさまらない昨日の夕方、今度は余市蒸溜所の重要文化財指定というビッグニュースが飛び込んできました。
余市蒸溜所の魅力を、価値を正しく評価してくれてありがとう!
何というめでたい日だ!!
晩酌が最高に美味しかったです。
この記念すべき日を自分の記憶に残すため、昨日のSTV「どさんこワイド179」のニュースを引用します。
=====
ニッカウヰスキー余市蒸溜所は、日本のウイスキーの父と呼ばれる竹鶴政孝が創業した施設です。
昭和10年代に建設され、原材料の加工から蒸留・貯蔵まで日本最初期のウイスキー製造にかかわる施設10棟が、現在も一連で残されています。
北海道における近代産業の遺産としての歴史的価値が高いとして、19日の文化審議会で文部科学大臣に重要文化財に指定するよう答申されました。
=====
これまで登録有形文化財(建造物)として認定されていたのは以下の建造物9棟でした。
①事務所棟(現事務所及び見学者待合室ほか)
②貯蔵庫(現蒸溜液受タンク室)
③リキュール工場(現混和室)
④第一乾燥塔
⑤第二乾燥塔
⑥蒸溜棟
⑦研究室(現リタハウス)
⑧旧竹鶴邸
⑨第一貯蔵庫
もう1棟はどこが追加されたのかな?
とにかく重文指定、おめでとうございます。
本物は必ず評価されるということでしょう。
次に行く時が楽しみになりました。

先月、旧ウイスキー博物館がニッカミュージアムとしてリニューアルオープンしましたが、余市蒸溜所は現在、自由見学が休止中でガイドツアーのみの完全予約制です。
早くコロナが終息して、気が向いたときに自由に見学できるようになって欲しいものです。

(自分用メモ、2024年ニッカウヰスキー創業90周年、2029年マイウイスキー贈呈式)


お気に入りその2082~竹鶴政孝パート298

2021-09-16 12:46:51 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート298、アジアン・ウイスキーです。
先日朝日新聞の付録「GLOBE」を読んで、世界のウイスキー事情が大きく変わっていることを知りました。
その中で一番興味深かったアジアン・ウイスキーを2本味見しました。
新興勢力というよりもすでに確固たる地位を築いているインドと台湾のウイスキーです。
予備知識がないため、美味しそうであることと予算内で買えることの2条件で選びました。

①インドのウイスキー「ポール・ジョン・ニルヴァーナ」
商品紹介を引用します。
=====
ニルヴァーナ(仏教用語で永遠の平和、最高の喜びを意味)は、インド・ゴア海岸の魅力を表すものとして、バーボンの柔らかな香り、フルーツケーキ・キャラメル・プディングを想起させます。
ハチミツのような甘さが穏やかに塩味を帯びた大麦の味わいと舌の上で混ざり合い、芳醇なバニラのニュアンスとともに、銅製のポットスチルから生まれるリッチなウイスキーを想わせます。
味わいは驚くような柔らかなハチミツから始まり、塩味を帯びた大麦の味わい。
ハチミツの甘みをともなった素晴らしい舌触り。
嬉しいくらいの大麦の味わいが高品質のオーク材と複雑に絡み合い、本当のゴアで味わうことのできる喜びの一部を体験できます。
=====
商品説明にあるような香りと味わいは確かに感じられます。
派手でも地味でもないほどほどに。
ウイスキーの味わいの中で塩味好きなので商品紹介にある塩味を探しましたがかすかに感じる程度で少々期待外れでした。
それでも全体的なバランスの良さが気に入り、毎晩3杯ずつ味わっています。
飽きの来ない晩酌酒といえます。
なおインドのウイスキーはインドの大麦を使うことが義務付けられているそうです。
私にはそれが味わいにどのように反映されているのかがさっぱり判りませんでした。

②台湾のウイスキー「カバラン ディストラリーセレクト」
商品紹介を引用します。
=====
5,000円以下で手に入るシングルモルトでイチオシ!
世界中から厳選された樽に、わずか5%しか使用されないミドルカット、独特の気候がもたらす熟成感。
世界中で250以上もの金賞を受賞しその品質で世界を驚かせ続けるシングルモルト王国台湾の蒸溜所カバランウイスキー。
このたび新たにリリースされる新作はニュートラル樽で熟成した原酒をアイコンズ・オブ・ウイスキー2015で「マスター・ディスティラー・オブザイヤー」に選ばれたイアン・チャン氏率いるチームが厳選してヴァッティングしました。
カバランらしいトロピカルフレーバーはそのままに、柔らかでコクがあり複雑な余韻を感じる新たなカバランが誕生。
柔らかくかつ、コクのある口当たりで、クリーミー、トフィーやバニラの香りが広がる、非常に飲みやすい。
=====
シェリー樽での熟成を思わせる色合いの濃さ、芳醇なバニラ香、口当たりの柔らかさ、長く続く余韻。
全体の構成は「ザ・ニッカ12年」に似ているけれど、すべてにおいて5割増しにした感じです。
品評会向きの派手なウイスキーってところでしょうか。
1杯目は美味しいけれど、2杯目以降はくどく感じられます。
ときどき1杯だけ味わいたくなる、そういうウイスキーです。
なお品評会で優勝したカラバンのウイスキーがボルドーのワイン樽を使っていたという記事を目にしました。
「ディストラリーセレクト」の濃い色合いもそこに由来しているのでしょう。

気温の高いインドや台湾ではウイスキーが短い期間で樽熟成するとのことで今回味見したところ、確かにどちらも合格点。
軽いのも濃いのもどちらも一人前。
今後は余市で8年10年と時間をかけて樽熟成させる意味を考えなくてはなりません。
話は飛びますが、以前、琉球ニッカウヰスキーという会社があり、ブラックニッカ、スーパーニッカなどを沖縄で販売していました。
あのときは沖縄で蒸留・貯蔵せず、本土から運び込んだ原酒をボトリングしていただけでした。
将来的にはニッカウヰスキーが沖縄に蒸溜所を建てて樽熟成を進め、余市や宮城郷の原酒とバッティングすることで、ウイスキー界の新しい可能性を切り開いていただきたいと願っています。


お気に入りその2079~竹鶴政孝パート297

2021-09-08 12:15:54 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート297、ウイスキー最新事情です。

妻から新聞の半分サイズのミニ紙「GLOBE」を手渡されました。
朝日新聞に折り込まれて届いたそうです。
特集は私の大好きなウイスキー。
じっくり時間をかけて読みました。
ニッカウヰスキー以外のことはあまり知らないのでとても勉強になりました。
そのいくつかを記録に残します。

〇蒸溜所の増加
 世界的なウイスキー需要の増加から蒸溜所がどんどん増加しています。
 最新設備で新設されたもの、閉鎖した蒸溜所が再開されたもの。
 生産地も5大ウイスキー以外の地域に広がっています。

〇アジアン・ウイスキー
 現在、5大ウイスキー以外で有名なのはインド・台湾・フランスの蒸溜所。
 その中で台湾のウイスキーは何度もタイトルを獲っている本格派。
 台湾のような気温の高い地域ではウイスキーが熟成しないとこてまでいわれて
 いましたが、そんな通説を打破して、スコットランドの3倍の速度で熟成が
 進むことが実証されました。

〇インスタント・ウイスキー
 1本しかないプレミアムなワインを味わうことができなかった苦い経験から
 分子レベルでそのワインを再現できれば、多くのファンに喜んでもらえる!
 というアイデアが浮かび、ウイスキーで実証しようとしている方がいます。
 その工場ではたった1日でウイスキーを作ります。
 熟成には最低でも3年、美味しくなるには8年以上かかるといった、いわゆる
 ウイスキー通の常識を覆したインスタント・ウイスキーの登場です。
 今のところ一番安いウイスキーくらいの味わいだそうですが、この研究が
 進んだ暁にはウイスキーは「時を味わうロマン」とは無縁のただの蒸留酒に
 なってしまうかもしれません。

ウイスキー通を自認していた自分が恥ずかしいくらい知らないことだらけでした。
近いうちに台湾やインドのウイスキーを味見したいと思います。
考えてみると、スコットランド以外でスコッチ風の味わいを出すことはできない、と言われていたのを、竹鶴政孝が日本で作って見せたのが全ての始まりでした。
まさかインドや台湾のような暑い地でもスコッチ風の味わいが出せるようになるとは、政孝も天国で驚いていることでしょう。
そしてもうひとつ、インスタント・コーヒー。
その昔、鳥井・竹鶴両氏の苦労により合成ウイスキーの時代は終わりました。
今再び合成ウイスキーの時代が来るかもしれないと知ったら、政孝は渋い顔をするでしょうね。
ウイスキーファンも熟成するまでの長い時間に思いを馳せながら味わう楽しみが失われてガッカリでしょう。
この先はいったいどうなることやら。
楽しみでもあり不安でもあります。



お気に入りその2023~竹鶴政孝パート296

2021-04-26 12:47:10 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート296、ベン・ネヴィスです。
買い物のついでにお酒売り場をのぞいたらベン・ネヴィス・シングルモルト10年が1本だけありました。
最近はウイスキーといえばセッションばかりなので、久しぶりに違う味わいを楽しむことにしました。
裏のラベルを読みつつ晩酌。
 ベン・ネヴィスが山の名前だと知っていたけど、スコットランド最高峰だったのか。
 蒸溜所はハイランド西部にあるのか。
などとニッカファンにあるまじき無知を恥じつつ、香りと味わいを楽しみました。
裏のラベルにはテイスティング・ポイントも書かれていました。
「ソフトでコクがあり複雑な風味。華やかさの中にわずかな潮とスパイシーな香り。スムースでバランスのとれた味わい」とありますので早速確認しました。
香りは弱めです。
「華やかは」言いすぎかな。
味わいも控えめ。
「スムースでバランスがとれている」というのはその通り。
ただ味わいの中に潮とスパイシーさを感じます。
ウイスキーの味わいに潮を感じたのは久しぶり。
これまでで一番強く潮を感じたのは1987年発売のシングルモルト北海道12年でした。
驚くほどしっかりと潮を感じる、とても美味しいウイスキーでした。
10年ほど前まではヤフオクで1万円ほどで入手できたので、贅沢をして何本か空けましたが、今はゼロがひとつ増えてしまってとても手が出ません。
懐かしい潮味を思い出させてくれただけでもベン・ネヴィスを選んだ価値があります。
またウイスキーにスパーシーさをこれほど感じたのはベン・ネヴィスが初めてかもしれません。
潮味もスパイシーさも程よくスムースに味わえる大人のウイスキーで、とても美味しいです。
なお冒頭で「最近はセッションばかり飲んでいる」と書きました。
竹鶴シリーズがないので仕方なく飲んでいるように思われたかもしれないので誤解を解くために説明しますが、セッションは香り高く、味わい深い銘酒です。
竹鶴シリーズなき後もニッカファンを満足させ続ける存在です。
原酒不足の中で「品質のニッカ」を維持し続けるのは大変だと思いますが、増産効果でゆとりが出るまで頑張ってください。
おまけとしてサントリー知多。
ライバルメーカーの酒は飲まない主義ですが、贈りものとしていただいたのでやむを得ず味わいました。
原料の筆頭にグレーンとあったので、さほど期待しませんでした。
ところが香りが高く味わいが深くかつ余韻の広がりに驚かされました。
これは旨い。
この大変な時期にとんでもないものを出していたのですね。
流石は世界のサントリー。
セッションと知多を味わうだけでジャパニーズウイスキーの未来が明るいことを確信できます。


お気に入りその2001~竹鶴政孝パート295

2021-03-05 12:09:01 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート295、陶器ボトルです。
本文に入る前にお話ししますが、今回のサワリを妻に話したら全く興味無し。
しかもテレビの「何でも鑑定団」で自分のコレクションを自慢しているオジサンと同類だそう。
ナルホド。
確かにコレクションにつぎ込んだ金額を妻に内緒にしている辺りはまさに同類です。
ということで本文へ。
日頃からニッカウヰスキーのオールドボトルが並んだ陳列棚をながめては楽しんでいます。
その中に「RARE OLD NIKKA WHISKY」と刻まれた古い陶器ボトル(正しくは白磁ボトル)があります。
丸みを帯びたデザインをしているためか、3年前の大地震(北海道厚真東部地震)で唯一転落防止バーを乗り越えて木床に転げ落ちました。
あわてて拾い上げ、どこも破損していないことを確かめた時は深く安堵したものです。
本棚の転倒防止ネジが全て抜けてしまったため、本棚自体の転倒こそ免れましたが、本はほとんど床に散乱してしまった、あのひどい状況を思い返すとそれはとても幸運なことでした。
このボトルと同じものは余市のウイスキー博物館に展示されており、「1945年8月、陶器瓶入りウイスキー」という説明札が付いています。
また同館に掲示されているニッカ・ヒストリーというパネルにも「1945年8月、陶器瓶入りウイスキー(一級)を発売」という記載があります。
ところがニッカファンの間でこのボトルは1955年頃に販売されていたボンチャイナという銘柄の誤りではないか、という意見があり、私もボンチャイナだと思っていました。
先日このボトルを何気なく手に取ってながめていると、ボトルの銘柄を特定するヒントに気づきました。
キャップの紙封に「NO METHYL ALCOHOL」と印刷されていたのです。
これに続く文字は残念ながら読めませんが、「メチルアルコールではない」とは穏やかではありません。
戦時中から終戦直後の数年間は、物資不足から燃料用アルコールを混ぜた酒がヤミで出回り、健康被害が多数出ました。
そのためキャップを紙封し「NO METHYL ALCOHOL」と表示することが必要だったのでしょう。
紙封の記載と当時の社会状況が一致していることから、このボトルは終戦直後の1945年発売の陶器瓶入りウイスキーと考えられます。
ただ1955年頃に販売されていた「ボンチャイナ(二級)」は「陶器瓶入りウイスキー(一級)」と同一銘柄という可能性もあることから、さらに検討してみました。
1953年にウイスキーの等級変更があり、それまでの「一級・二級・三級」は「特級・一級・二級」になりました。
「陶器瓶入りウイスキー(一級)」がその時も販売されていれば「陶器瓶入りウイスキー(特級)」になったはずで、ボンチャイナ(二級)とは等級が大きく違います。
このことから「1945年発売の陶器瓶入りウイスキー」と「1955年に販売していたボンチャイナ」は別銘柄と考えられます。
この陶器ボトルについてはもうひとつ気になることがあります。
終戦直後にガラスではなく陶器でボトルを作った経緯や背景を知りたいのです。
ヒントはボトルのバックスタンプ(裏印)。
リンゴが3つと葉が8枚描かれています。
インターネットで調べても製造メーカーが判りませんでした。

手元にもう1本、同じバックスタンプのボトルがあります。
1964年に西宮工場竣工記念で配られた陶器ボトルです。
後に、誰もがニッカをイメージすることになる「髭のおじさん」(ローリー卿)が初めて描かれたボトルです。
この陶器ボトルは戦前に作られましたが、液漏れするものがあったため、長く倉庫に眠っていました。
西宮工場竣工の際、その中から良品を選んでウイスキーが詰められました。
この陶磁器メーカーは戦前と終戦直後に陶磁器ボトルをニッカに納品していたことになります。
ニッカファンとして興味津々です。
このバックスタンプにお心当たりのある方はぜひお教えいただければありがたいです。
ニッカファンとしてニッカの社史、特に創業から1956年ニッキーで人気が出る直前までの苦しい時代に興味があります。
創業から6年、ようやく一号ウヰスキーを発売開始するも間も無く太平洋戦争が始まり、戦中戦後の混乱期を経て、1950年にようやく公定価格が廃止されたため、この年から翌年にかけて新しい銘柄を次々誕生させますが、ライバルメーカーに苦杯をなめさせられていた、そんな時代でした。
当時の銘柄・ボトル・ラベル等が混とんとしているのも苦しさ故でしょう。
ファンとして当時のことを検討してひとつでも明らかになることはうれしいものです。
これからも楽しみながら考察していきたいと思います。



お気に入りその1995~竹鶴政孝パート294

2021-02-19 12:11:47 | 竹鶴
今回のお気に入りは竹鶴政孝パート294、ポスターです。
20歳代からのニッカファン。
はじめはニッカのウイスキーを晩酌するだけでしたが、ピュアモルトやフロム・ザ・バレルというデザイン性に優れたボトルに注目したことをきっかけに、いつしかオールドボトル蒐集の道に入りました。
さらに蒐集活動の中で目にしたベヤーニッカのポスターに魅了され、古いポスターも蒐集するようになりました。
ただし額装して飾るには部屋が狭すぎるため、B2判用クリアファイルに入れて鑑賞しています。
その時代時代に思いを馳せることで晩酌が一層美味しく感じられるのは言うまでもありません。
ニッカファンもそうでない方も、ポスターが制作された時代の雰囲気を懐かしく感じていただければと思います。

①丸びんニッキー
 ニッカが初めてTVCMにした商品が「丸びんニッキー(二級)」。
 1950年代のTVCMにはクマの人形が登場していた。
 販売期間は1956年11月から1962年3月まで。

②ベヤーニッカ
 1957年11月発売開始。
 ファイリングのパンチ穴が開けられていたり、折れがある上、
 右端が少し裁断されていて、状態はかなり悪い。
 原画は奥山儀八郎がロートレックの「ブリュアン像」をアレンジして
 制作した。
 このポスターは人気があるようで復刻版が制作されている。
 復刻版と並べてファイリングしたことで右端が少し裁断されている
 ことに気づいた。

③レアオールドポケット瓶
 販売時期と銘柄が不明なポケット瓶ウイスキーのポスター。
 このポスターに登場するポケット瓶とそっくりな瓶が手元にある。
 メーカーに写真を添えて販売時期と銘柄を問い合わせたところ
  当時はポケット瓶がたくさん出荷されており、瓶の種類も多かった。
  記録が残っていないため、銘柄の特定はできない。
 という回答だった。
 余市ウイスキー博物館の展示物でポケット瓶について調べると
  1941年 アップルワイン・ポケット発売
  1947年 米国陸軍将校にポケット瓶ウイスキーを贈呈
  1950年 三級免許によりポケット瓶ウイスキー発売
 という記録があるだけで、発売時期と銘柄の特定はできなかった。
  
④一号ウヰスキー
 ニッカウヰスキーが初めて発売した一号ウヰスキーのポスター。
 一号ウヰスキーは1940年に発売開始されたが、翌年、太平洋戦争が
 始まったため、すぐに価格統制、販売制約が課せられた。
 ファイリングのパンチ穴が開けられていたり、折れがあり、
 状態はかなり悪い。
 一号ウヰスキーのポスターは2種とも文字が右から書かれており、
 発売初期のものと思われる。

⑤角瓶ウイスキー、丸瓶ウイスキー
 1951年に発売された三級ウイスキーのポスター?
  角瓶500ml 380円(新角)
  丸瓶720ml 500円(ご家庭用にお徳)
 
⑥ゴールド&ゴールド特級
 後のG&G。 
 1968年に越路吹雪がTVCMに出演したときのポスターと
 思われる。
 ポスターサイズが大き過ぎるためファイリングできないことと、
 ゴールド&ゴールドをオールドボトルと考えていないため、
 丸めて保管したまま。今回は載せなかった。
 ※ポスターサイズ=B1判(728×1030)

⑦サントリー白札
 寿屋(現サントリー)が1929年に発売した日本初の
 本格ウイスキーのポスター。
 そのコピー「醒めよ人!すでに舶来盲信の時代は去れり」は有名。
 竹鶴政孝が設計した工場で自らの手で造った初めてのウイスキー
 であることから復刻版ポスターを入手したが、ライバルメーカーの
 ものであることから今回は載せなかった。

なお照明やフラッシュの反射が写り込まないように撮影するテクニックがないため、単純に斜め方向から撮影しました。
改めて見ると1枚1枚のポスターが台形に見えて美観的に最悪。
ポスター制作者が見たら悲しむでしょうね。



お気に入りその1991~竹鶴政孝パート293

2021-02-10 12:51:17 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート293、スーパーニッカ木箱です。
最近、熱心なニッカファンの方とメールのやりとりをしました。
オールドボトルについての情報交換は久しぶり。
ニッカといえば晩酌でセッションを味わうくらいでしたので、とても新鮮で楽しかったです。
同好の士に刺激され数か月ぶりにヤフオクをのぞくと目を引くものが出品されていたので早速落札しました。
「スーパーニッカを5本収納していた木箱」
箱にスーパーニッカのボトルがリアルに印刷されています。
ラベルのデザインから1977年~1995年に販売された4代目スーパーニッカであることが判りました。
さらに箱に貼ってあるシールを見ると、本社住所が日本橋となっています。
ニッカは1982年に本社を南青山に移転していますので、この木箱は1977年~1982年の6年間のどこかで使われたものと判りました。
調査はここまで。
あとは箱が使われた時代に思いを巡らせつつゆっくり晩酌しました。
その頃といえば・・・。
4代目スーパーニッカが発売される前年の1976年は、竹鶴政孝のブレンダーとして最後の仕事となった鶴が発売されました。
その3年後の1979年、政孝は愛妻リタの待つ天国へ旅立ちました。
今回対象となった6年間に新発売された銘柄は、黒角ニッカ一級、ハイニッカデラックス一級、キングスランド角瓶特級などの高品質ウイスキー、そして当時1万円もした高級ウイスキー、フォーチュン80がありました。
日本経済面では、高度成長期が終わり、バブル景気が始まる前の狭間の時期でした。
この時期は1979年の第2次オイルショックが特筆事項ですが、第1次に比べ軽微な影響でやり過ごすことができた、そんな時期でした。
それにしてもすでに段ボール箱が梱包材として普通に使われていた時代になぜ木箱だったのでしょうか?(1980年の段ボール生産量は現在の8割に達しています)
もしかしたら余市や弘前というリンゴの名産地との深い関わりから、地元の木箱製作会社と長い付き合いがあり、ギリギリまで木箱にこだわったのかもしれません。
こんなことを考えながらウイスキーを味わうのもいいものです。
わが家には他にもゴールドニッカやマイルドニッカの木箱があります。
どちらも今はオールドボトルの保管箱になっています。
今回の木箱は内側がカンナがけされていなかったので、ダンボールをクッション代わりに入れてから同じ役目を果たしてもらおうと思います。
(おまけ①)
先ほど「木箱、ウイスキー、ニッカ」というキーワードでネット検索したところ、olivemomoさんという方のブログにゴールドニッカの木箱の写真が掲載されているのを知りました。
手元の木箱と全く同じです。
そしてその木箱が、olivemomoさんのご実家である静岡県旧清水市の「村松製材製函所」で製作したものだということまで知ることができました。
ということは余市や弘前、リンゴと関りがあるのではないか?という私の推理は大ハズレと判明。
考えてみれば原酒の製造は北海道と宮城、グレーンウイスキーの製造は兵庫、ボトリングは千葉、最大の消費地は東京と、全国バラバラだったのだから静岡から木箱を仕入れていても何も不思議はありません。
(おまけ②)
スーパーニッカ、ゴールドニッカ、マイルドニッカの3つの木箱を比較してみました。
スーパーニッカとゴールドニッカの木箱は黒一色で印刷されていて、持ち手部分は楕円にくぼみをつけただけという点が共通しています。
それに比べ、マイルドニッカは赤一色で印刷されており、持ち手部分は楕円に板を貫通して指が入るように加工しています。
このことから今回のスーパーニッカの木箱も村松製材製函所さんで製作されたものではないかと考えます。
今回はニッカについていろいろ知ることができました。
ファンとしてとても有意義な時間を過ごすことができ、とても楽しかったです。