元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「スター・トレック」

2009-06-15 06:22:17 | 映画の感想(さ行)

 (原題:Star Trek )どうも話をヒネり過ぎている。劇場版「スタトレ」の新作は、いわゆる“エピソード1”という位置づけで、カーク船長やミスター・スポックなどお馴染みの登場人物の青春時代を描いている。それはそれでオッケーなのだが、これが“本編”から派生したパラレル・ワールドであり、しかも話の途中で“本編”の時間軸が影響を及ぼしてくるというのが、どうにも鬱陶しい。

 シリーズ全体の双方向性(?)を網羅しているという点では、熱心な「スタトレ」ファンにとって嬉しいに違いないが、私のような単純明快な娯楽編を期待している向きには欲求不満が溜まる結果になった。後半に入って“本編”の延長線上に存在する年老いたスポックが含蓄のあるセリフを吐いて、若い連中を導く部分があるのだが、わざわざレナード・ニモイを再起用して登場させる意味があるのだろうかと思ってしまう。ファンサービスだとしても、ここだけドラマが停滞している感は否めない。

 若造どもを叱咤激励するのは“未来”から来た謎の人物でなくても、経験豊富な上官やバルカン人の長老でも良かったではないか。そして、そういう場面は必要最小限に留め、無鉄砲な若きカークやクソ生意気な青二才であるスポックの八面六臂の活躍を大々的に描けば、より幅広い観客にアピールしたと思う。出てくる奴らが若いだけにアクション場面にもいろいろと工夫を凝らすことが可能だったはずだ。

 J・J・エイブラムスの演出はテンポが良いが、無理矢理に“本編”と結びつけたパートを省略すればもっと小気味の良い活劇編が出来上がったと思われる。クリス・パインをはじめとする若手は悪くないが、エリック・バナやウィノナ・ライダーも予想外の役で出てくるのが興味深い。いずれにせよ今回は“プロローグ編”と位置付け、次回からはシンプルな宇宙冒険談を綴ってもらいたい。

 余談だが、このシリーズで真っ先に思い出すのがロバート・ワイズ監督による劇場版の第一作目だ(79年製作)。思わぬハードSF路線で観客を驚かせたものである。製作側もかなり気負っていたのだろう。今だったらまず企画は通らないと思う(笑)。
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