(原題:CAPTAIN AMERICA: BRAVE NEW WORLD)巷の評価が芳しくないので期待はしていなかったが、実際観てみたらけっこう楽しめる。もちろん、この手のシャシン特有の“一見さんお断り”の雰囲気は拭えず、私もこのシリーズを全部チェックしているわけではないので、中身をすべて理解したとは言い難い。それでもあまり不満を覚えることなく、最後まで付き合えた。
インド洋上に突如出現したセレスティアル島には、アダマンチウムという宇宙一の強度を持つ鉱物が埋蔵されていた。その資源をめぐって、各国の利害が交錯する。アメリカ大統領のサディアス・ロスは、事態収拾のため首都ワシントンにてサミットを開催することを決め、スティーヴ・ロジャースから“正義の象徴”である盾を託され二代目キャプテン・アメリカを襲名したサム・ウィルソンらに協力を依頼する。ところが、謎の組織の暗躍によって会議は紛糾。果ては世界大戦の危機まで訪れようとしていた。サムは弟分のファルコンことホアキン・トレスと共に、この難局に立ち向かう。

敵の首魁はマーベル映画好きならば御馴染みなのかもしれないが、そうではない観客は前振り無しに出てこられても戸惑うだけだ。また、ロス大統領も“訳あり”であり、終盤には桜が満開のポトマック河畔で大立ち回りを見せるものの、唐突な感は否めない。ロスの側近の政府高官である、ルース・バット=セラフのプロフィールも掘り下げて欲しかった。
しかしながら、活劇場面になると俄然引き込まれる。格闘シーンの段取りも感心できるものだが、白眉は空中戦である。特にサムは先代とは違い飛行能力があるので、ファルコンと“編隊”を組んでのバトルはスピード感がありスリル満点だ。アクション演出には定評があるジュリアス・オナーは良い仕事をしている。
登場人物の中で一番印象的だったのは、日本の総理大臣の尾崎だ。アダマンチウムの精製技術を持つのは日本だけという設定で、当然そのトップも大きな責任感を持つ。しかも、劇中での日本は大きな軍事力を持っており、インド洋に機動部隊を派遣するなど積極的な手段に打って出る。尾崎を演じる平岳大のスマートさも勘案すると、現実の日本の首相との器の違いを痛感して苦笑いしてしまう。なお、この役名は1910年代に首都ワシントンに桜を移植した当時の東京市長である尾崎行雄に由来している。
主役のアンソニー・マッキーをはじめ、ダニー・ラミレスにシラ・ハース、カール・ランブリー、ティム・ブレイク・ネルソン、セバスチャン・スタン、リヴ・タイラー、そしてロス大統領に扮するハリソン・フォードと、役者は揃っている。アベンジャーズの再結成も暗示させ、このシリーズを追いかけるのは今後も楽しみだ。
インド洋上に突如出現したセレスティアル島には、アダマンチウムという宇宙一の強度を持つ鉱物が埋蔵されていた。その資源をめぐって、各国の利害が交錯する。アメリカ大統領のサディアス・ロスは、事態収拾のため首都ワシントンにてサミットを開催することを決め、スティーヴ・ロジャースから“正義の象徴”である盾を託され二代目キャプテン・アメリカを襲名したサム・ウィルソンらに協力を依頼する。ところが、謎の組織の暗躍によって会議は紛糾。果ては世界大戦の危機まで訪れようとしていた。サムは弟分のファルコンことホアキン・トレスと共に、この難局に立ち向かう。

敵の首魁はマーベル映画好きならば御馴染みなのかもしれないが、そうではない観客は前振り無しに出てこられても戸惑うだけだ。また、ロス大統領も“訳あり”であり、終盤には桜が満開のポトマック河畔で大立ち回りを見せるものの、唐突な感は否めない。ロスの側近の政府高官である、ルース・バット=セラフのプロフィールも掘り下げて欲しかった。
しかしながら、活劇場面になると俄然引き込まれる。格闘シーンの段取りも感心できるものだが、白眉は空中戦である。特にサムは先代とは違い飛行能力があるので、ファルコンと“編隊”を組んでのバトルはスピード感がありスリル満点だ。アクション演出には定評があるジュリアス・オナーは良い仕事をしている。
登場人物の中で一番印象的だったのは、日本の総理大臣の尾崎だ。アダマンチウムの精製技術を持つのは日本だけという設定で、当然そのトップも大きな責任感を持つ。しかも、劇中での日本は大きな軍事力を持っており、インド洋に機動部隊を派遣するなど積極的な手段に打って出る。尾崎を演じる平岳大のスマートさも勘案すると、現実の日本の首相との器の違いを痛感して苦笑いしてしまう。なお、この役名は1910年代に首都ワシントンに桜を移植した当時の東京市長である尾崎行雄に由来している。
主役のアンソニー・マッキーをはじめ、ダニー・ラミレスにシラ・ハース、カール・ランブリー、ティム・ブレイク・ネルソン、セバスチャン・スタン、リヴ・タイラー、そしてロス大統領に扮するハリソン・フォードと、役者は揃っている。アベンジャーズの再結成も暗示させ、このシリーズを追いかけるのは今後も楽しみだ。