ローランド・エメリッヒ監督の「デイ・アフター・トゥモロー」や「2012」といった“大味SF巨編”に通じるものがある小説だ(笑)。鈴木光司といえば「リング」の作者として知られるが、単なるホラー編では飽き足らなかったのか、その後「らせん」「ループ」といったSF色の強い“続編”をリリースし、大風呂敷を広げた挙げ句に収拾が付かなくなった“前科”がある。本編は最初からSF仕立てのアプローチだが、物語が拡散する一方でストーリーの密度が薄くなっていくのは同じだ。
世界各地で原因不明の失踪事件が頻発する。取材に当たったジャーナリストの冴子の父親も18年前に行方不明になっており、この謎を解けば、父に会えるかもしれないとの思いを強くする。やがて彼女は、この異変の背景に全宇宙的な規模でのカタストロフが関係していることを知る・・・・という話だ。
本文中に科学的ウンチク(らしきもの)が山のように出てきて、事態の真相を何とか説明しようとしているように見える。しかし結果として目に付くのは、エメリッヒ御大の作品と同じく“とにかく世界の終末は来ちゃったのだ。オレがそう思うから、間違いないのだ”という夜郎自大な開き直りばかりだ。
しかも、読み手を引き込むようなスペクタキュラーな場面やサスペンスフルなシーンはほとんどない。肝心の論理的な(?)説明も、どこか破綻している・・・・というか、途中で理解するのを放棄したくなるような芸のなさだ。特に終盤の展開なんかトンデモ度100%といったところで、読んでいて萎えた。
ヒロインをはじめ、登場人物にほとんど魅力が無いのにも困った。どいつもこいつも、頭の中で安易に考えたような造型だ。いずれにしても、読む価値がある本とは思えない。いつか面白くなるはずだ・・・・と思いつつページをめくった私は良い面の皮である(爆)。
世界各地で原因不明の失踪事件が頻発する。取材に当たったジャーナリストの冴子の父親も18年前に行方不明になっており、この謎を解けば、父に会えるかもしれないとの思いを強くする。やがて彼女は、この異変の背景に全宇宙的な規模でのカタストロフが関係していることを知る・・・・という話だ。
本文中に科学的ウンチク(らしきもの)が山のように出てきて、事態の真相を何とか説明しようとしているように見える。しかし結果として目に付くのは、エメリッヒ御大の作品と同じく“とにかく世界の終末は来ちゃったのだ。オレがそう思うから、間違いないのだ”という夜郎自大な開き直りばかりだ。
しかも、読み手を引き込むようなスペクタキュラーな場面やサスペンスフルなシーンはほとんどない。肝心の論理的な(?)説明も、どこか破綻している・・・・というか、途中で理解するのを放棄したくなるような芸のなさだ。特に終盤の展開なんかトンデモ度100%といったところで、読んでいて萎えた。
ヒロインをはじめ、登場人物にほとんど魅力が無いのにも困った。どいつもこいつも、頭の中で安易に考えたような造型だ。いずれにしても、読む価値がある本とは思えない。いつか面白くなるはずだ・・・・と思いつつページをめくった私は良い面の皮である(爆)。
特に「ループ」は、3回読みましたが、読む度に涙が流れてしまいました。
「らせん」「バースデイ」等は、ホラーが当たったので、出版社に書かされたのかなあと思っています。「ループ」は、その勢いを使って、本来、自分が書きたかったものを書いたような気がします。
その後、彼は、「いくめん」の先駆けのような活動をしていて、子育ての後援会などで忙しく、何だか、SF作家としての腕が落ちているような気が、僕はしています。
「エッジ」も、そのひとつで、副会長さんのおっしゃるとおり、最初の構想を小説にまとめきれずに終わったような感じで、歴史に残ることはないでしょう。
話は変わってしまいますが、SF作家としては、瀬名秀明さんが素晴らしいと思います。作品を重ねるごとに、どんどんディープな世界になっていきますが、初期の「パラサイトイブ」「ブレインバレー」は、僕のような素人にもわかりやすい傑作です。小松左京なきあと、日本のSFは、この人の肩にかかっていると思います。
長々とすみません(^o^)。
日本のSF作家ではとにかく筒井康隆が大好きで、彼の作品はおそらく“映画化が難しい小説”の最右翼だったと思います。彼の真骨頂である“ドタバタ調”の小説は何回か映画化が試みられていますが、成功した例はほとんどなかったように記憶しています。
あと眉村卓も好きでしたね。あのペシミスティックな作風は一度ハマるとクセになりそうです。
そういえば瀬名秀明の小説って読んだことがなかったですね。機会があれば手にしてみます(^^)。