元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「エクスティンクション 地球奪還」

2021-06-18 06:18:16 | 映画の感想(あ行)
 (原題:EXTINCTION)2018年7月よりNetflixより配信。まあまあの出来かと思う。侵略系SFと思わせて、実は話は捻りが加えられている。そのあたりに満足出来れば悪くないシャシンだ。キャラクター配置に抜かりは無いし、活劇場面もそこそこ健闘している。何より95分という短い尺は適切かと思う。

 政府機関に勤める電気技師ピーターは、妻と2人の娘と暮らしていたが、最近は町全体が地球外生命体に襲撃されるという生々しい悪夢を頻繁に見るようになる。病院にも足を運んでみたが、待合室で同じ内容の夢を見ている者が他にもいることを知り、危険なものを感じ取った彼は診察を受けずに帰宅する。そしてある晩、くだんの悪夢通りに上空から飛来した宇宙船が地上を攻撃し、街中が焦土と化す。さらに謎の生命体は集団で降り立ち、住民を次々と血祭りに上げてゆく。ピーターは家族を守り抜こうと奔走するが、やがてこの状況が腑に落ちないことに思い当たる。



 宇宙から侵略してくる生命体が、人間とさほど変わらない姿形をしていることで、ほぼネタが割れてしまう。ただし、冒頭から時折フラッシュバックで挿入される“戦場”の場面が本編とどう関係してくるのかという興味は、最後まで持続する。負傷した妻アリスを助けようとする主人公の悪戦苦闘や、バリケードなどものともせずに室内にまで侵入する敵の不気味さは、十分に印象的だ。また、必死の脱出を試みる住人たちと、それを阻止しようとする侵略者たちとのチェイスはけっこう盛り上がる。ただし、物語の背景は詳説されないので不満は残る。

 ベン・ヤングの演出は中盤にテンポが悪くなるのは欠点だが、まあ許容出来るレベル。こういう映画にマイケル・ペーニャが出ていると「世界侵略:ロサンゼルス決戦」(2011年)を思い出してしまうが、彼はなかなか頑張っている。ただし、出来ればもっと二枚目の俳優を持ってくれば訴求力がアップしたかもしれない(笑)。リジー・キャプランにマイク・コルター、アメリア・クラウチといた脇の面子はあまり馴染みは無いが、よくやっていると思う。なお、ザ・ニュートン・ブラザーズによる音楽は好調だった。
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