元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「Jam Films S」

2015-01-29 06:39:08 | 映画の感想(英数)
 2004年作品。オムニバスシリーズの最新(最終)作で、園田賢次監督の「Tuesday」、高津隆一監督の「HEAVEN SENT」、石川均監督の「ブラウス」、手塚領監督の「NEW HORIZON」、阿部雄一監督の「すべり台」、原田大三郎監督の「α」、浜本正機監督「スーツ」の7つのパートから構成されている。

 しかしながら、まあまあ面白かったのは第七話「スーツ」だけだ。



 通常の軍隊は廃止され、そのかわり有事の際は国民の中から無作為に一人を選び出してモビルスーツ(のようなもの)を装着させて事に当たらせるようになった近未来。そんな大仰な設定を“スーツ装着者”に選ばれてしまった男のマンションの一室を舞台にしてほとんど語ってしまおうという横着さが嬉しい(笑)。藤木直人扮する軽佻浮薄な主人公と、小西真奈美演じるキャバクラ嬢との掛け合いも軽妙で、アホアホな結末まで観客を飽きさせない。

 対して、あとの6本はまるっきりダメ。映画になっていない。それどころか、あれほど多彩なキャストを揃えておいて平均以下のパフォーマンスしか示せない当時の“若手監督”たちって、いったい何なのかと思ってしまう。

 こういうオムニバスものは全編ピシッと製作意図が一貫していなければならないはずだが、このプロデューサーは放任主義で、カネだけ調達して口は出していないようだ。そんなのは映画製作とは呼べない。劇場で入場料取って見せようとする事自体が大間違いである。
コメント
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