元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「9デイズ」

2006-09-03 08:11:13 | 映画の感想(英数)
 (原題:Bad Company)昨日(9/2)テレビ放映もされていた2002年作品。

 ジェリー・ブラッカイマー製作によるジョエル・シュマッカーの監督作品にしては、えらく安上がりな映画である。ロケのほとんどはチェコのプラハで行われているが、これは物語の舞台がチェコであることだけではなく、撮影経費が安いことが大きいと思われる。映画終盤に出てくるニューヨークのグランドセントラル駅の場面もプラハで撮っており、派手な活劇シーンといえば畑の中をぐるぐる回るだけのカーチェイスしかない。いつもなら大袈裟なシチュエーションを展開するブラッカイマーだが、今回に限っては“携帯核爆弾の恐怖を描く”とは名ばかりで、B級スパイ・アクションのルーティンに終始。似たようなネタの「トータル・フィアーズ」と比べても見劣りがする。

 ではこの映画の製作理由とは何か。それは若手黒人コメディアンのクリス・ロックの存在以外は考えられない。つまりは彼のプロモーション・フィルムである。

 おそらくクリス・ロックの所属エージェンシーから企画が持ち込まれたのだろう。当然、監督もプロデューサーも“小遣い稼ぎ気分”。相手役にちょうどスケジュールが空いたアンソニー・ホプキンスを短期間起用し、結果としてこのような“見掛けは大作っぽいが中身はショボい”という作品が出来上がったに違いない。

 でもまあ、そのへんを割り切ればそこそこ楽しめる映画だろう。ブラッカイマー作品には場違いな艶笑コメディ的な部分もあり、けっこうニヤリとさせてくれる。
コメント
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