このところ、新型インフルエンザ「インフルエンザA(H1N1)」(豚インフルエンザから名称が変わりました)の記事を続けて書いていますが・・・
新型インフルエンザは、H1N1型(Aソ連型)の亜型ですので、従来のH1N1型ワクチンが効果があるのではないかと期待もされていましたが、WHOの分析で効果はないとわかりました。
なので、このウイルス専用のワクチンを開発することが必要になります。
現在、ワクチン製造用のウイルスの準備が進んでおり、今月中には完成する予定で、各国に配布した後、これをもとに製造メーカーがワクチンを作ります。
といっても、いきなり実用になるわけではありません。
まず試験用に製造し、ワクチンとしての有効性や安全性、製品の安定性を調べます。
OKであれば、日本なら厚労省に申請し、製造承認を受けてから、量産して販売します。
ですので、安定性試験を短期間で済ませる技を使っても、大量に供給できるのは早くて4~6ヶ月後、今年の秋以降と見込まれています。
ワクチンに関しては以下のような問題が考えられます。
1)ワクチン供給前にパンデミックが起きる:
これまでの感染の広がる速さからすると、この可能性は高いと思います。
従来のインフルエンザは、気温と湿度が低い環境、つまり冬に主に流行していました。
これはウイルスが高温・多湿に弱いからです。
なので春から秋にかけて流行が下火になっているうちに、次の冬に流行するウイルスを予測してワクチンを作って供給すればよかったわけです。
しかし、新型インフルエンザは3~4月になってから流行が始まっており、従来のウイルスとは挙動が違うようです。
もしかすると、高温・多湿にもある程度強いウイルスに変異しているのかもしれません。
その場合は、これから北半球の気温が高くなっていっても流行が衰えず、どんどん広がっていくので、夏にかけてパンデミックが起きるでしょう。
そうするとワクチン供給は間に合いません。
考えられる悪い方のシナリオとしては、新型インフルエンザのワクチンを作ったものの、夏のパンデミックに間に合わず、冬に従来のインフルエンザ(あるいは、鳥フルかもしれません)が流行した時に、全世界でそちらに対応するワクチンがない、ということもありえます。
新型インフルエンザウイルスの性質、特に気候に対する挙動を早く突き止めることが大事でしょう。
長くなったので、2)は次の記事で書きますね。
(5/3/2009 補足訂正)
上の記事中の
>これはウイルスが高温・多湿に弱いからです。
についてですが、田代眞人氏監修「新型インフルエンザの企業対策」(日本経済新聞社)によると、
「毎年流行する季節性インフルエンザは、北半球の温暖地域では冬季(12~2月)に流行のピークを持ち、季節が逆転する南半球では6~8月が流行期である。しかし、赤道付近の熱帯地帯ではほぼ1年中流行しており、熱帯地域を挟む両半球の亜熱帯地域では、年に2回のゆるい流行の山を作り、このうちの1回は雨期に相当している。従って、インフルエンザウイルスの感染性は低温・低湿環境では安定なので冬季に流行する、との従来の説明は説得力がない。」(p16)
とあります。
季節性インフルエンザの流行は、温暖地域では季節性があるけれども、それは「ウイルスが高温・多湿に弱いから」だとはいえない、ということです。
以上、補足訂正します。
(ではなぜ季節性があるのか、については書かれていませんし、私もそこを説明できるうまい仮説が思いつかないのですが・・・)
日本ではまだ発症の報告はないですが、潜伏期間があるのがくせ者です…。
GWもわざわざ海外へ遊びに行かなくても…って思いますが、自分たちはかからないと思うのかもしれませんね。
ワクチンも早くても半年はかかりそうですよね。
それまではマスクをして、手洗いや、人混みには行かないなどして、自分で予防するしかないですよね~。
ワクチンの開発、時間がかかるし、やっぱり
優先度が難しいので、判断が大変だと
思います。
本当に、各自で、出来ることから予防して
行くことしかないんですよね~。
私も、マスクを確保しました。
品薄になっているみたいですね。
GWの帰国ラッシュでは、ピーク時には1日5万人ほど帰国するそうですから、心配ですよね。
他の国で毎日患者が増えていっていますから、日本だけがまぬがれることはまずないだろうと思っています。
今のところウイルスは弱毒性らしいのが、救いですね。
★ミュンコさんへ:
もともと、国民全員分を速やかに用意することはできないので、苦しい選択になりそうですね。
予防が大切ですよね。
うちの近所のお店では、高機能マスクはもう売り切れていました。メーカーはマスクの増産で大変だそうですね。