行って参りました、上野の東京都美術館。
上野動物園正面入り口に隣接。
JR上野駅から歩いて行ったが、東京文化会館、国立西洋美術館、国立博物館等、文化芸術の森は、多くの方々で賑わっていた。
乃木坂の国立新美術館が第1会場で変わらず、上野の都美術館が第2会場で、従来の池袋サンシャインビルから変更になったもの。
わが師は、読売書法会会友となって初めての出品。 10回入賞、又は、入選を果たさないと、会友資格を与えられないので、10年が最短になり、10数年掛けて会友になる方が多いが、途中、諸般の事情で挫折する方も、圧倒的に多い。
特別賞受賞作品との違いを、展示部屋を行ったり来たりしながら、何が、どう違うのか見比べたりし、自分なりに品評。 自己主張の強さが際立つ大規模公募展では、品の良い良質な作品は目立ち難い。 また、じっくりと鑑賞する環境にはない。
全応募作品は、一人1点で、約22,000点で、入賞・入選作品、約9,000点が展示される。 無論、公募と言っても、誰でもが応募出来る訳でもなく、それなりに腕に覚えのあるツワモノが所属する書道会の大先生のリコメンを頂いて応募となるので、その裾野は、べらぼうに広い。 特別賞受賞対象者は、何故だか書法展幹部に限られるが、一般応募者にも枠を広げられないのも変な話で、優秀な若手のモチベーションを上げることも考えるべきじゃないか。 また、年功序列ではないが、ご高齢の幹部が、題材の内容も理解出来ずに、誤字も平気で作品を仕上げ、結果、玉石混交の入賞・入選も可笑しな世界だ。 ただ単に、線の良し悪し、勢いや墨の濃淡、余白の使い方等の話ではない。 もっともっと風通しが良く、透明性の高い世界を構築しないと、健全な発展は望めない。
そんなこんなで、この大規模公募展で、入賞は至難の事だ。 しかも絶対的評価基準がある様な、ない様な世界故。 何が良くて、何が足りないのか、その評価は極めて難しい。 ただ、『道』の世界ゆえ、心構えや所作、作法のこともついて回るが、昨今、時代の流行り、風潮もあり、兎角、軽視され勝ちには困ったものだ。 どうも、日本の伝統や美意識、文化芸術の世界ではなく、政治の世界の胡散臭さを感じざるを得ない。 毎年、同じことを感じて帰ってくる。
2時間程、『書の世界』に浸り、『噂のアメ横の今』を覗いてみて、一献。