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驚愕のボーイング・787

2011-10-29 15:09:00 | その他
先日、WBSでボーイング・787の特集をやっていたのですが、いや驚きました。まあ私はエンジンなどはあまりわからないので、機体となる部分の技術についてなのですが。

カーボン、厳密にはCFRPについてです。いや、まさに世界の最先端なのですね。す、すごすぎる……!


http://www.ana.co.jp/promotion/b787/
787は50%をカーボンが占めるそうです。アルミ合金だったところを大胆に置き換えているのですね。

日本企業が多くの部品を納めていることでも有名です。その割合は35%にものぼります。これはボーイング本社と同じ比率だとか。この不景気な時代に頑張っていますね。うれしいです。それらのほとんどがカーボンに絡んでいるようです。昔から飛行機のトイレはオートクレーブで日本企業が作っているということは知っていましたが、時代はさらに進んでいるようです。

で、驚いたのはそういうところではありません。前部胴体を担当する川崎重工業の工場を取材していたのですが……、製法がとんでもなかったのです。いや、製法ではないですか、そのサイズですね。

確か777は胴体はアルミのフレームにパネルを接着剤で貼り付けていたはず。なのでカーボンとはいえ、今回もそういう方式かと思っていたのです。

ところがどっこい、全く違いました。なんと! あの巨大な胴体部分を一体成形、すなわちワンピースモノコックで作っているのです!! しかもオートクレーブで!!! もう度肝を抜かれました。787は中型機といえど、胴体の直径は7、8メートルくらいはあります。長さだって多分15メートルかそこら。それを釜に入れて一括して焼いているのです。

さらにさらに! プリプレグも通常のUDでもMDでもありません。トゥプリプレグ(トゥプリプレグは大体ガムテープのように巻いてあります)といって細いUDみたいな自転車界ではあまり知られていない製品を使っています(なのでおそらくウルトラハイモジュラスのような超高弾性カーボンはもろい側面もあるので使っていないでしょう。糸はインターミディエイトクラスかと)。それをマンドレル(金属製などの硬質な型)に巻き付けていくのです。このマンドレルも787胴体の実寸大の大きさがあり圧巻でした。確かに円形なので出来ることは出来るのでしょうが……。その発想の大きさにひたすら驚嘆します。

ひょっとしたら新世代のスペースシャトルとか作れるかも知れません(笑)。そして応力の掛かる部分には厚く、少ない部分には薄くしてあるのです。この技術もスゴイですね。

あれだけ巨大な物体がモノコック、しかもオートクレーブで成形されるなんて……、大きさとしてF1のシャーシなんて目じゃありませんから。車とかで利用が期待されるハイサイクルタイプのカーボンは焼いていませんし。

釜もスペシャルらしく、中身は撮影禁止でした。おそらく内部の熱を循環させ、大きい物体でも均一に熱が通るようにしてある最新型のオートクレーブ釜でしょう。

樹脂も破断や衝撃に強い特殊なものを使っているようです。東レが787のカーボンに深く関わっているので、ピナレロで使ったナノアロイのような物かも知れません。ひょっとしたら良いテストだと思っていたのかも……(笑)?

これなら桁違いに軽く、丈夫に出来るのも納得です。スケールにただただ圧巻されたニュースでした。



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