東レが韓国でカーボンファイバーを生産開始

うーん、大丈夫かなあ？

以下引用
ＦＴＡ戦略に期待　東レ、韓国に炭素繊維工場の新設発表
2011/1/17 22:16
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　【ソウル＝尾島島雄】東レの日覚昭広社長は17日、ソウルで記者会見し、韓国中部の慶尚北道亀尾に炭素繊維工場を新設すると正式発表した。韓国のほか中国などアジア市場の需要増を見込む。韓国政府が各国との自由貿易協定（ＦＴＡ）の締結を急いでいることも、輸出拠点として韓国を選択する一因となった。

　全額出資子会社の東レ尖端素材を通じ、約630億ウォン（約50億円）を投じて近く着工、2013年１月に稼働する。生産能力は年2200トン。パソコンや自動車向けのほか、風力発電機や天然ガスのタンクなどに使う炭素繊維を手がける。

　東レは日米仏に炭素繊維の生産拠点を持つ。愛媛工場（愛媛県松前町）で予定する設備増強計画に韓国の新工場を加えると13年末の生産能力は年２万1100トン。10年末比18％増やし、世界シェア首位の座を固める。

　日覚社長は韓国立地を決めた理由について、製造工程で使用する電気代のほか法人税の低さを指摘。輸出拠点として「韓国が中国を含めＦＴＡ締結に積極的に取り組んでいることが魅力的なのは事実だ」と述べた。

　新工場で生産する炭素繊維の半分程度は韓国市場に出荷する意向で「韓国内の有力な中間材、最終製品のメーカーと共同開発を進め市場を開拓する」と表明した。具体的には現代自動車などの社名をあげ、「積極的に（新部品開発に）取り組む彼らとタイアップすることで需要拡大を迅速に進める」と強調した。
以上引用終了

http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E3E5E2979F8DE3E5E2E3E0E2E3E38698E0E2E2E2;at=DGXZZO0195165008122009000000
今までは日米仏の工場で生産してきたようです。新しい拠点が増えると言うことなんですが……。

カーボンファイバーは日本企業三社で7割近くを占める、数少ない得意分野です。アメリカ・ヘクセル社なども使っています。

今エアバス社やボーイング社などへの納入が決まり、今まで投資してきたコストを取り返そうとしているのです。さらにクルマへの採用も一層進むでしょう。これは間違いありません。型さえ出来れば複雑な形状も一発で出来るようになってきたので、スチールよりも安く上がることさえあるようですから。ここらへんはRTMやRTMライトなどの技術の確立と、その煮詰め＆発展にあるようです。

私ははっきり言って心配です。法人税の高さなどを海外拠点理由に挙げていますが、技術の流出で苦しんできた歴史をまた繰り返すように見えるのです。今年の20万ロードを見ても価格競争が激化しているのはよく分かるのですけど。今までならフレームしか買えない値段でしたからね。今この時点で繊維業界の最後の切り札ともいえるカーボンファイバーを流出させることは、自らの首を絞めることになりませんかね。

中国ではなく、一応ある程度話が通じる韓国にしてあるというところに、苦慮の跡が伺えますが……。きっちりとパテントを守りきることが出来るのか。品質を維持することが出来るのか。適正価格を保てるのか。

MIJの力を保ち続けることができるのか。

……保ってくれなければ、企業が利益を上げなければ皆に利益が行き渡らないと我慢している日本人が馬鹿みたいです。海外に資金を流出させるために稼がせているわけではありませんから。大手企業だけが優遇され、中小、零細企業、そして個人が耐えて耐えてきたのがこの20年です。それを灰燼に帰するようなことはしないでほしいです。