ヤマハ専門に、30年間2輪業界に在籍、主にVmaxの整備中心です。意見感想は、個人主観です。連絡先はカテゴリに有ります。
PrivateFactory ベイカーズストリート V-max Garagename Right-arm ライトアーム


★2014年2月20日付で、VMG大原は、退職いたしました。

★勤務先:Right-arm 
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 作業担当 ヤダ マサオ(矢田 正夫)

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今日は比較的気温が高かったです。早く道路の雪が解け、雨で粉塵が流れてほしいです。砂が浮いていると良く滑ります。また、融雪剤がまかれているので、走行後に、水洗いした方が良いです。錆の原因になります。

  

点検と修理でお預かりです。入庫時に押し歩きが重かったので、空気圧かブレーキかと思い、空気圧を入れてみましたが、少ししか軽くならず、確かにハイグリップタイヤで幅が広い場合は、グリップで抵抗が増えますが、それにしても重いので、前後ブレーキを見てみました。フロントは問題無かったのですが、リアタイヤの回転が重いので、最初にマスター側を見ましたが、ロッドを押しているわけでもないので、パッドを抜いてみました。回転抵抗がなくなったので、タイヤがスイングアームに当たっているわけでもなく、リアブレーキキャリパーの引きずりだと思われます。とりあえず若干ピストンを戻してからパッドを再装着しました。リアブレーキキャリパーは点検整備かシール交換が必要です。

  

リアブレーキですが、通常サポートの外側に入っているワッシャーが内側に入っているので、サポートが外側に出ており、位置合わせでサポートとキャリパーの間にワッシャーが入っています。理由がありそうなので、とりあえずそのままです。外装を外して点検に入ります。シート下の配線がシートで押されていたりしていますので、まとめておきます。バッテリー交換時かと思いますが、リアバンクのプラグコードをイグニッションコイルから外したようなので、要修正です。また、イグニッションのプラス配線から配線が分岐されていましたので、これも移動しました。点火系のプラス配線に別の配線を付けると点火に影響しますので、配線を装着する場合は、シグナル系の配線の方が良いです。

  

エアダクトがカットしてありますが、できればノーマルの方が流速が稼げます。抵抗にならない程度の管の径が必要ですが、ある程度管の長さが有った方が同じ空気量が流れた場合流速が上がります。流量を増やす場合は、短くするより管の直径を上げた方が良いかと思います。また、まれにダクト自体を外したケースも見ますが、外してしまうと吸入時の流速が落ちるので、出力特性に影響が出ます。エアクリーナーはK&N製でそれほど汚れは無いようです。ダイヤフラムは4気筒と回転していないので平気そうです。

  

フレームナンバーがアジア向けのカナダ仕様ですが、ラベルから見ると1998年モデルです。フレーム番号とラベルの見方は、ホームページのVINコードのページ書いてあります。スパークプラグは、NGK製イリジウムプラグでしたが、2本がカブって死んでいて、もう1本もカブリで死に掛け、生きているのは1本のみでした。とりあえずオーナーに外したNGK製JR8Cを4本預かったので、交換します。マフラーがフルエキになっていましたが、クーラントのリザーブタンクのエアベントチューブが溶けてふさがれ気味でしたので、通し方を変えて先端を切りました。

   

リアバンクのプラグコードが抜け気味で、コードとコイル差し込み口が腐食していましたので、コードは、別の物に交換、コイルは掃除を行い修正しました。プラグコードですが、途中にジョイントを入れるやり方は、接触不良の原因になり易いので、お勧めしません。また、コイル側に古いコードを残すやり方もお勧めしません。交換の場合は、全部新品にした方が良いです。プラグコードとコイルは、テーパー嵌合なので、一度装着したら、新品交換時まで外さない方が良いです。液式バッテリーのブリーザーホースが無かったので、とりあえず追加しておきました。ホースが無いと排出されたバッテリー液でフレームが腐食します。(充電時も泡が出ますが、転倒時は、直接希硫酸が出ます。)

   

フロントフォーク左右ともオイルが出始めているので、シール交換ですが、ダストシールヒビ割れのため水分が入り、クリップも錆びているので同時交換です。

   

  

ダミーダクト内からのクーラント漏れですが、一部だけでなく、各パイプ類、Oリング、ラジエターキャップもダメそうなので、劣化がある所は交換です。クーラントは漏れると白く乾いた後になります。クーラントへのエンジンオイル混入は無いので、セパレーターは平気そうです。ラジエター下のオンオフバルブですが、写真の位置だと右上がオンになっていますので、これだとサーモスタットがショートカットになっており常時ラジエターが効いていますので、冬場は、冷えすぎになります。エア抜きを行ったら、前方から見て右上にオフの文字が来るようにして下さい。また、電動ファンのサーモスイッチですが、純正ではなく、低い水温で回る場合は、夏場は、電動ファンが作動しっぱなしになるのでバッテリーの負担が大きく電圧が下がるとバッテリー点火のため失火の原因となります。装着する場合は、手動のオンオフスイッチが良いです。メーカーによりサーモスイッチの作動温度に下がるのは、取付位置の差であって管理している水温の差ではありません。ラジエター入口にスイッチが付いているかラジエター出口についているかでスイッチの設定水温が変わりますが、ファンが回る際のエンジン内部の水温には差が有りません。また、サーモスタットを交換し、作動温度を下げると冬場は、冷えすぎになるのでお勧めしません。メーカーのエンジン設定水温は、80~100℃です。80℃以下はエンジン温度が低いことと、エンジンの使用回転数が低い場合は、エンジンオイルの温度も低い場合が多く、冬場の高速等で低回転で巡航しているとキャブレターのアイシングや、エンジン内部の結露が発生する場合があります。夏場の渋滞もエンジンにきついですが、冬場の冷えすぎもエンジンにきついので、注意が必要です。その昔、グランドマジェスティというスクーターで、初期は250ccと400ccの冷却系がほぼ同じだったようで、当然250ccの方が冬場は、オーバークールになりエンジン破損が発生し、エンジン交換のリコールが行われたように記憶しています。

  

フルード類の漏れ等はないですが、変色はあるので、交換時期不明です。

  

積んである液式バッテリーですが、補充電してみました。電圧、容量とも平気そうです。エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。アクセルカラーの取付けを修正しましたが、アクセルワイヤーの戻し側が折れていましたので、交換しました。ここは、角度によりダミータンクと当たることが多いので、折れていることがあります。

エンジンを始動し、各気筒の点火とキャブレターの同調、パイロットスクリューの機能、戻し回転数を見ますが、今回は、1番気筒がずれているというよりは、間違って同調用のスクリュー(白丸印)を締めこんだようで、1番のスロットルが開きすぎでした。とりあえず現状で同調を取り、パイロットスクリューの機能を確認しました。コンディションチェックパックA(点検、増し締め、キャブレター調整)を行いましたので、後は、フロントフォーク修理とリアブレーキキャリパーの修理、水周りの修理になりますが、その前に、一度ご連絡致します。

2018.02.03 作業担当 ヤダ(矢田)

 



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