毎日のように、旧型Vmaxを整備していますが、同じバイクで同じような外観でもメンテナンスの状態によって状態が良かったり、悪かったりします。基本的にバイクは、趣味の乗り物なので、カスタムも良いとは思いますが、メンテナンスで良い状態を維持していることが前提だと思います。
前回入庫時に、キャブレターの詰りとダイヤフラムの回転がありましたので、今回は、キャブレターのオーバーホールとダイヤフラム交換でお預かりです。作業内容は決まっていますので、キャブレターを外し、全分解、点検清掃、組立、調整&同調です。
チェックをご希望でしたので、水回りの漏れや、クーラントの状態を見ましたが、エンジンオイル混入や、漏れ等も無く、クーラント自体の劣化も目視ではあまり無いようでした。今回外した部品です。キャブレターについては、劣化したガソリンによるつまりや汚れの清掃をし、各ガスケット類や、劣化のあったエンリッチャーバルブとダイヤフラムの交換を行いました。
最終チェックと試乗です。マフラーが社外品に交換されており、スリップオンタイプのためリアバンクのエキパイが短く、前後の気筒で排圧に差が有り、うまくバランスさせないとスムーズにエンジンが回りません。また、点火順番が、左後(1番)、右後(3番)、左前(2番)、右前(4番)で、V型のため、3番と2番の間に間が開き、逆に4番と1番の燃焼がかぶります。ここで問題なのが、リアバンクのエキパイは、交差して降りており、そのまま左右でスリップオンマフラーを接続すると、左側のマフラーは、3番と2番の排気、右側のマフラーは、4番と1番の排気になるので、キャブレターが正常で、同調が取れている状態でも左右で排気音が違ってきます。ちなみに純正は、サイレンサー部に膨張室があるので、基本的には、4-1-2のエキパイのつなぎ方になり、リアバンクを先に膨張室に入れてから前側と合流させているので、4気筒の排圧が合うようになっています。車両の方は、無事納車になっています。
2019.06.22 作業担当 ヤダ(矢田)