冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が洗ひ出すのは万物の木地。
天はやつぱり高く遠く
樹木は思い切つて潔らかだ。
虫は生殖を終へて平気で死に、
霜がおりれば草が枯れる。
この世の少しばかりの擬勢とおめかしとを
冬はいきなり蹂躙する。
冬は凩(こがらし)の喇叭(らっぱ)を吹いて宣言する。
人間手製の価値をすてよと。
君等のいぢらしい誇をすてよ、
君等が唯君等たる仕事に猛進せよと。
冬がまた来て天と地とを清楚にする。
冬が求めるのは万物の木地。
冬は鉄しき(かなしき)を打って又叫ぶ、
一生を棒にふって人生に関与せよと。
(高村光太郎)
>>僕は冬が好きです。
冴える薄明。
寒さを溶かす朝日。
張りつめた透明な空気。
高い空。
美しい夕焼け。
満天の星。
>>でもそんな悠長なことを言っていられるのは、
雪など滅多に降らない地域に住む者の
戯れ言、なのかもしれません...
冬が洗ひ出すのは万物の木地。
天はやつぱり高く遠く
樹木は思い切つて潔らかだ。
虫は生殖を終へて平気で死に、
霜がおりれば草が枯れる。
この世の少しばかりの擬勢とおめかしとを
冬はいきなり蹂躙する。
冬は凩(こがらし)の喇叭(らっぱ)を吹いて宣言する。
人間手製の価値をすてよと。
君等のいぢらしい誇をすてよ、
君等が唯君等たる仕事に猛進せよと。
冬がまた来て天と地とを清楚にする。
冬が求めるのは万物の木地。
冬は鉄しき(かなしき)を打って又叫ぶ、
一生を棒にふって人生に関与せよと。
(高村光太郎)
>>僕は冬が好きです。
冴える薄明。
寒さを溶かす朝日。
張りつめた透明な空気。
高い空。
美しい夕焼け。
満天の星。
>>でもそんな悠長なことを言っていられるのは、
雪など滅多に降らない地域に住む者の
戯れ言、なのかもしれません...