ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

1145、追悼コンサート

2011年05月05日 | Weblog
昨日、軽井沢大賀ホールに行ってきました。
1118、来日見合わせ」で5月5日に行われる予定だった「ウィーン少年合唱団」のコンサートは中止になりましたが、他の演奏会は予定通り行われるようです、と書きました。
昨日(4日)は、指揮:小林研一郎、演奏:東京フィルハーモニー交響楽団、で予定通り行われました。
予定通りといっても、予定通りではなく、指揮者が交代しました。
本来は大賀典雄氏が指揮をすることになっていましたが、大賀氏は去る4月23日に逝去されました。
プログラムには「健康上の都合で、出演を見合わせる。」と書かれています。
本人の挨拶文で「健康上の理由で指揮することができず、申し訳ない気持ちで一杯です。」と述べています。
このとき大賀氏は「自分が指揮することができないときは、小林研一郎氏に指揮をしてもらいたい。」と言っていたそうです。
今年の春の音楽祭は「東日本大震災被災者支援」コンサートでしたが、大賀氏の追悼コンサートでもありました。

演奏が始まる前に小林氏が大賀典雄氏の功績や思い出を語り、プログラムには無いバッハの「G線上のアリア」を演奏して追悼しました。
プログラムは
・J.シュトラウス2世:ワルツ「美しき青きドナウ」
・スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より“モルダウ”
  休憩
・ドヴォルザーク:交響曲9番ホ短調「新世界より」
これらは私の最も好きな曲で、学生時代に演奏したことがあります。
“モルダウ”は最近合唱で歌ったばかりでした。
“新世界より”を聴きながら、アメリカの広大な大地を思い浮かべました。
950、家路」を参照

小林氏の渾身の指揮、東京フィルハーモニー交響楽団(大賀氏は東京フィルハーモニー交響楽団の会長・理事長を務めていた。)の魂のこもった演奏、大賀ホールの音響効果、と3拍子揃ったコンサートでした。
私はいろんなホールに演奏を聴きに行きます。
「あそこのホールは音響効果が良い、ここのホールはだめだ。」という声を聞きますが、その違いがよく分かりませんでした。
しかし、昨日の演奏は「音響の良さ」を実感しました。
音が響いて体に共鳴するという感じで、ゾクゾクしました。

演奏が始まる前に小林氏が「大賀夫人が来られています。」、と言われたので、てっきり前の席にいらっしゃるものと思っていました。
プログラムが終わって夫人が紹介されましたが、1番後ろの隅の席におられました。
大賀氏が精魂込めて造ったホール全体を見渡せる席で、夫を偲びながら聴かれておられたようです。(私の想像)
大賀氏は「自分が死んだらシューベルトの“ロザムンデ間奏曲”を演奏してほしい」と言われていたそうで、その曲が最後に演奏されました。
大賀氏がソニーの社長や会長として世界中を忙しく飛び回っていたとき、この曲を聴いて癒されたのではないかと思います。
私はこの曲を聴いたことがありませんでしたが、心にしみる旋律です。
小林氏が曲名を言ったとき、シューベルトの「ロザ・・・間奏曲」としか聞き取れませんでした。
You Tubeで調べてみましたが、多分この曲だと思います。
ロザムンデ間奏曲
http://www.youtube.com/watch?v=0rixh1dDDiw&feature=related

下の写真は「596、軽井沢」の写真と同じ、ホールの庭