ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

950、家路

2010年10月23日 | Weblog
スポーケン郊外をドライブしていたら美しい田園風景が広がっていました。
これを見たときドヴォルザークの交響曲第9番:第2楽章「家路」のメロディーが浮かんできました。
交響曲第9番はドヴォルザークが、ニューヨーク国民音楽院院長(1892~1895)としてアメリカに滞在していたときに作曲した作品で、ネイティブ・アメリカンの音楽や黒人霊歌などの音楽が故郷ボヘミアの音楽に似ていることに刺激を受け、「新世界アメリカ」から故郷ボヘミアへ向けて作られた作品だと言われています。
19世紀後半にドヴォルザークが渡ったアメリカはヨーロッパの人々にとって、新世界でした。
アメリカンドリームを夢見て多くの移民が大西洋を渡り「新世界」を目指しました。
「家路」のメロディーは上の写真のような田園風景を見て、故郷ボヘミアを思い出しながら作曲したのではないかと思います。
美しい旋律は懐かしい響きがあります。
当時は歩いて「家路」についたのでしょう。

交響曲「新世界より」は、数ある交響曲の中でも最も人気が高く、世界中で愛され、頻繁に演奏されています。
1893年12月16日に建設されて間もないニューヨークのカーネギー・ホール(1891建設)でニューヨーク・フィルハーモニックによって初演され、大成功だったと伝えられています。(ベニー・グッドマンがスウィングする45年前)
「新世界より」の表題はその直前に、ドヴォルザーク自身によってつけられています。
ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』、シューベルトの交響曲第8番『未完成』と並んで「3大交響曲」と呼ばれています。
私は学生時代吹奏楽部で、この3つの交響曲を演奏したことがあります。
もっとも、全曲演奏するには大きすぎるので「未完成」は第1楽章、新世界より」と「運命」は第4楽章のみでした。

ドヴォルザークのメロディーは美しく親しみやすいのが特徴です。
「ユーモレスク」は学校の音楽教科書に載っているので誰もが知っています。(最近の教科書に載っているかは?)
歌曲『我が母の教えたまいし歌』は、クラシック音楽の声楽家を始め多くの歌手によって愛唱されています。
また、ドヴォルザークは鉄道好きで、毎日同じ列車に乗って、その列車が奏でる走行音を楽しんでいました。
ある日、いつもと微妙に違う走行音が聞こえたため車掌にその旨を伝えたところ、車両から故障個所が見つかり事故を未然に防いだ、というエピソードがあります。

You Tube
家路
ユーモレスク
我が母の教えたまいし歌: シャルロット・チャーチ

余談:「22、リチャード・クレイダーマン」でいろんな作曲家のアベ・マリアのなかで、カッチーニのアベ・マリアが一番好きだ、と書きました。
この曲は多くの歌手によって歌われていますが、私のお気に入りはシャルロット・チャーチのアベ・マリアです。

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