ここに同じ容器がたくさんあります。
左にあるのはサンプル管。プラスチック製の試験管です。
その数100本。現在、土壌の塩害抑制について研究中の女子。
このサンプル管に土を採取して成分を測定しようとしています。
いったい何時間かかるんだと心配しますが、今回で2度目。
前回の経験があるので、おそらく4人で半日あれば終われる想定しています。
測定日は明日。運よく全校あげての農業クラブの地区分会の活動日。
出身地区ごとに分かれて校外で花植えなどを行う名農らしい行事です。
各地区の先生方に頭を下げてなんとかフローラハンターズの
公欠をお願いしましたが、なぜか全員は揃いません。
その理由は右の容器。携帯用のアルコール消毒スプレーです。
実はフローラハンターズの2名は明日、赤土の流出問題に対応するため
東京、そして沖縄に向かうことになっているのです。
このスプレーはそんな彼らが持参するもののひとつ。
間に合えばマスクも支給するつもりです。
フローラハンターズは上京するたびにこのスプレーを一人一本配布するのが
最近の流儀。6月には全員で上京する予定なので、
こんなにスプレーがあってもあっという間になくなるでしょう。
測定日に遠征が重なるとは、こちらは運がありません。
コロナなどの課題がなければ全員でやんばるに行けたのですが
こればっかりは仕方がありません。心配してばかりいても前に進めません。
冷静に対処しながら、それぞれ活動してほしいと思います。
2020年に水の国際大会で世界グランプリに輝いたTreasure Hunters。
彼らが初めて三和土作りに取り組んだ2019年、
消石灰の他に草木灰でも固化するか試していました。
するとどちらも土は固まりますが、草木灰は耐久性が弱く
崩れやすいことがわかりました。そんなわけで最後は
草木灰を使って三和土を作ることはやめましたが、
馴化温室には彼らが使った草木灰が今も残っています。
今年のフローラハンターズも実験で灰を使いました。
欲しかったのはカルシウム成分ですが、
不思議なことに、どの草木灰製品にも
どれぐらいカルシウムが含まれているかという成分表記はありません。
調べてみると草木灰よりも樹木を燃やした木灰の方が
3〜5倍もカルシウムが多いというので
木灰らしきものを取り寄せましたが、やはり表記はありませんでした。
材料となる樹種や個体によって含有量が変わるので、
一般的な成分は示せますが、工業製品のように一定にならないからだそうです。
そんなこともあって果たして取り寄せたのは木灰なのか、
それとも草灰が混ざっているのかわかりません。
すぐ手に入るのは草木灰、もしかしたらこれも草木灰じゃないかと疑っています。
昔は焚き火や囲炉裏など触れる機会が身近にあった灰ですが
今はあまり見かけなくなりました。