花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

会社と呼ばれた温室

2020年06月30日 | 研究
きれいに片付いた馴化温室です。
机の上の荷物もなくなり、記録簿を書くスペースがあらわれました。
これなら気持ちよくミーティングもできそうです。
ハンターズの前身であるチームフローラフォトニクスは
今から10年以上も前の2009の春に結成されました。
結成当時は植物と光の関係を探り、
新しい技術を開発して高校発のベンチャーとなるのが合言葉でした。
その志は2代目にも引き継がれ、白いリンゴや
光による柿の渋抜き、マイクロバブルを使った除塩など
さまざまユニークな成果をあげていきます。
新技術を使ってみんながびっくりする農産物を作ろう。
少人数ながら、このようなベンチャー精神に溢れていたため
メンバーはこの馴化温室を「会社」と呼んでいました。
残念ながら高校には特許申請の予算などないため、
何度も外部からも勧められましたが、結局最後まで出願できませんでした。
先日の大掃除で出てきたのが2010年の記録簿。
東日本大震災にサクラソウ救出とマイクロバブルによる除塩技術で
立ち向かい、そして後輩をストックホルムに送り込んだ伝説の先輩方のものです。
名前を見た途端、一瞬にして当時を思い出してしまいました。
もうフローラという言葉は、死後になりつつありますが
馴化温室の中央には今もフローラの赤い看板が誇らしげに飾ってあります。
明日から7月。今年の夏は東北も暑いとの予報です。
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断捨離

2020年06月30日 | 研究
馴化温室の大掃除に取り組んでいるハンターズ。
世の中では断捨離が流行っていますが、そのポイントは未練なく捨てること。
使わないものは思い切って捨ててしまうのです。
ところがここにハンターズのものはほとんどありません。
あるのは長年のフローラの財産とバブルボーイズが研究に使った物品。
つまりハンターズの見たことのない先輩の遺産ばかりです。
したがって何が大事なもので何が不要なのか判断がつきません。
ハンターズのメンバーが一品一品どうすれば良いか聞きに来るので
こちらも掃除を手伝おうとしましたが、思うようにできません。
結局、「捨てる、残す」の判断役となってしまいました。
しかし手分けした甲斐あって、だんだん居住スペースが片付いてきました。
最後はゴミを集積場に持っていくメンバーと
掃き掃除をするメンバーに分かれて最終仕上げ。
なんとか掃除を終えることができました。
大切なのはこの状態を維持すること。
整理が苦手な人は、それが大きな問題なのです。
さてさっぱりしたハンターズ。
明日から約1週間期末考査となります。
何かと忙しかった1学期。この期間は全力でテストに向かってください。
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フリーマーケット

2020年06月29日 | 研究
先日から大掃除に取り組んでいるハンターズ。
このところ晴れの日が続いているので思い切った勝負に出ました。
それはみんなが集まる居住スペースの荷物のほとんどを
温室の外に出して整理をしたのです。
2009年のフローラ結成時代からの物品は山ほど。
まるでフリーマーケットでも始めるかのようです。
一番目につくのはフォトニクスの名を持つだけあって
各種波長のLEDやそれに関するケーブル類。
それはそれは大変な数で、一気に購入したら相当な金額になると思います。
次にスペースをとっているのが水槽に関わる物品。
エアレーション、水中ポンプ、クーラーや動かすためのチューブは
ペットショップを開ける量です。
水質浄化や水中植物工場などに取り組んだ際に購入したものですが
今は眠っているだけ。時々借用する班もありますが、もったいない感じがします。
また糖度計やEC、pH、DOなど水質測定器具やノギス、物差し、
さらにビーカーなどガラス容器、記録用の文具も相当数ありました。
ずいぶん溜め込んだものです。しかし数は多くありませんが
最もスペースをとっていたのは土や肥料。
特に昨年から三和土の研究をしているためずいぶんあります。
これから1年生の栽培研究に使いたいと思います。
では一番驚いたのはなんでしょう。それは2010年の先輩の記録簿。
TEAM FLORA PHOTONICS というロゴが入った特注品です。
確か50冊作りましたが、解散時にちょうどなくなりました。
フローラ、バブルボーイズ、ハンターズの歩みがわかる資料が出てきました。
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空飛ぶカボチャ

2020年06月29日 | 生物生産科
少し前の写真になりますが
生物生産科のベースキャンプである第3農場での一コマです。
実っているのは、ごく普通の小ぶりのカボチャですが
なんとリンゴやサクランボのように
空中にぶら下がっているではありませんか。
カボチャは普通、スイカのように地面を覆うように広がったツルに
ゴロゴロと転がってつくものです。
しかしツルを上手に支柱やアーチに絡めて仕立てると
このような空飛ぶカボチャとなるのです。
確かこれは北海道の農家の方が考えた栽培法。
特別、美味しくなるわけではありませんが
カボチャのユニークな姿が話題となりました。
かつて前任校でスイカの空中栽培をしたことがありますが
見た目のインパクト以外にも良い点がありました。
それはスイカは地面についている部分は光に当たらないので
白くというか黄色になり、スイカらしい緑色になりません。
そのため、農家はスイカをぐるりと回して光を当てる作業をしますが
空中の場合は満遍なく光が当たるのでそんな作業は不要でした。
聞いてはいませんが、おそらくカボチャでも同じ効果があったはずです。
こんな遊びのような栽培法、まだまだできそうな気がします。
圃場をたくさん持っている生物生産科ならではの
ユニークな栽培法の開発を期待します。
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高まる緊張状態

2020年06月28日 | 
ここはハンターズの本拠地である馴化温室脇のブルーベリー。
大きな鉢がたくさん並んでいます。
そもそも別の研究班が植えたものらしいのですが7〜8年前にその班は解散。
指導された先生も異動され、名農にいらっしゃいません。
すると当時の住人であったフローラは気になって仕方ありません。
食べたいのだけれど、自分のものではないので罪悪感を感じ食べられず
ただ鳥に食べられるのをいつも見ていました。
するとある時、勇気あるメンバーがとうとう誘惑に負け禁断の実を食べてしまいました。
するとどうでしょう。それを見た他のメンバーはいつの間にか、
季節になるとみんな食べるようになったではありませんか。
きっとみんな我慢していたんでしょうね。
一度食べてしまうと、もうこのブルーベリーはフローラのもの。
不思議なもので、そう思った途端に欲が出てきます。
鳥に食べられたくないのです。
鳥は美味しい実を知っていて、ちょうど熟してくるとクチバシで突きます。
そこである年のメンバーがブルーベリーを覆うように、園芸用ネットをかけたのです。
確かにネットがかかった木には引っかかるのを嫌ってか寄り付きません。
しかしネットは短く、無防備な木もあります。
すると鳥たちはそちらを狙ってきます。
鳥が食べる前に口に入れると未熟で美味しくありません。
とはいっても熟すのを待っていると鳥が一足早く食べてしまいます。
どちらが先に手を出すか。一触即発の緊張状態が続いています。
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