花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

チャレンジャー

2022年05月16日 | 研究
これが沖縄の赤土。
おそらく国頭マージだと思われます。
沖縄の赤土といえば流出問題。きれいな世界遺産の海を
赤く染めてしまい景観はもちろん、サンゴの生態まで
脅かしている環境問題です。
2022年のフローラハンターズはこの問題に挑戦しています。
トライする方法は大先輩のTreasure Huntersが
水の国際大会でグランプリを受賞した日本の伝統工法である三和土。
土壌を固化させることで流出を防ぐアイデアです。
3月は同じ赤土の島尻マージの固化に成功。
すでに石垣島のサトウキビ畑で試験的に導入されています。
しかし今はコロナ禍。実際にいって施工できないので
沖縄の高校生や地元の方々に作り方をオンラインで伝授。
それをみなさんが現地に適した形で試しています。
現在は耐久性を調査中。果たして沖縄の梅雨に耐えられるでしょうか。
農家のみなさんがとても興味をもたれているようです。
そこで出された課題が新しい土であるこの国頭マージ。
固まりにくいのは島尻マージと同様と思われます。
三和土チームは今、試作品の製作中。
うまくいくかどうか心配です。
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大きな課題

2022年05月16日 | 研究
こちらは沖縄の土で三和土サンプルを作っているチームの机上。
配合量を変えたサンプルを作る準備がいろいろされています。
しかし大きな課題があります。ひとつは、沖縄の土はまとまりにくく
さらに頼みのカルシウムも土壌に吸着しにくいのです。
したがって先輩のレシピ通りに作ると固化はしますが耐久性が劣ります。
そこで使いたくなかったニガリを少し投入。
この糊のようなニガリを加えることで耐久性がアップすることがわかりました。
しかしニガリは塩化マグネシウム。多く入れると塩素がたくさん流出していまいます。
そこで現在はニガリの添加量をさまざま変えたサンプルで試験中です。
もうひとつの問題はもっとたいへん。実はこの土はかなりの酸性土壌。
三和土から流出するカルシウム分でアルカリに傾いてしまうのです。
一般の畑なら中和されて問題ないのですが、
この土で栽培されているのは特産のパイナップル。
パイナップルは酸性を好む作物でpH7を越えると生育が悪くなるのです。
流出を防いでも農業ができなくなっては困ります。
したがって圃場でも作物に影響を与えない場所に
試験的にごく少し試すしかありません。
現在、大きくアルカリに傾かない方法を検討中です。
いいアイデアはありませんか?
頑張れフローラハンターズ!
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フローラ園芸店

2022年05月16日 | 研究
今年は室内実験が多いため、まだ本格的な活用をしていない馴化温室。
そんなフローラの本拠地に園芸用の土壌が大量に運ばれています。
その数、20余袋。まるで園芸店のようです。いったい何に使うのでしょう。
実は環境システム科2年生のビジネス学習で使うものなのです。
環境システム科の園芸ビジネス類型では
商品の販売に関する知識を学びますが、
教科書を開くと、これまた理解しにくい専門用語だらけ。
読んでいるだけで眠りにつきそうです。
そこで考えたのが自分で農作物を生産販売して
その仕組みを体験的に学ぶスタイル。
とはいっても3年次で学ぶ学校設定科目「起業チャレンジ」ほど
ダイナミックなものではありません。いうなれば起業チャレンジで
スムーズに学べるためのお試し体験。
したがっていつも栽培期間が短く、誰でも簡単に育てられる
二十日大根を商品としているのです。
この土はその二十日大根をプランターで育てるためのもの。
先日、無事播種が行われ、現在はみんなで管理中。
今はこの大量の土もなくなっています。
さて今日は水研究チームの調査日。ところが試験区の数が48もあります。
そこで本来なら三和土を製作するはずの三和土チームの予定を変更し
全員で取り組むことにしました。とはいっても放課後は部活動のため
他のメンバーは手伝えません。落ち着いて、
そしててきぱきと進めたいと思います。
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