花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

思えば遠くへ来たもんだ

2024年11月16日 | 園芸科学科
今日は青森県立名久井農業高等学校の80周年記念式典。
小規模校の名農は今週は短縮授業や準備日などを設定して
会場作りや環境整備などお客様をお迎えする準備に努めてきました。
とうとうその成果をご披露するというわけです。
さてこれは2010年のもの。2009年にすでに草花と光の関係の研究を始め
数々の受賞を続けていましたが、この年に当時使われていなかった馴化温室をゲット。
頑張りが認められ、本拠地として活用するお許しを頂いたのです。
そこで温室脇にTEAM FLORA PHOTONICSのサインボードを設置しました。
掲げているのは3年生になった園芸科学科の男子たち。
2年生も男女合わせて7名入り、総勢12名となっていました。
あれから16年。途中で学校の都合で園芸科学科の草花班から
環境システム科に移籍させられ、名前も環境研究班と正式名称も変更。
2021年からはFLORA HUNTERSとニックネームも変わり
研究内容も草花と光の関係から、途上国の水問題を扱うようになりました。
環境システム科の研究班となって今年で11年目。
振り返ってみると、水の国際大会に通算5度も出場できた喜びとともに
その引き換えに、農業高校の甲子園である農業クラブの大会には
内容が適さなくなり、出場できなくなってしまったことが挙げられます。
しかし16年間、FLORAは常に変化しながら前に進んできました。
絶え間なく動き、入れ替わりながらも全体として恒常性が保たれていることを
「動的平衡」といいますが、FLORAにぴったりの言葉だと思います。
80周年では記念誌とともにストックホルム青少年水大賞の報告書も公開されます。
またFLORAの30分オンステージも用意されました。
皆さんに感謝しながら、全員一丸となって無事に大役を果たしたいと思います!
コメント

シクラメンのかほり

2024年11月11日 | 園芸科学科
ここは第2農場の草花温室。
名農祭が終わったというのに、たくさんのシクラメンが残っています。
かつて名農といえばシクラメン。文化祭には安価で高品質の鉢植えを求めて
たくさんの皆さんが購入してくださいました。
もしかしたら皆さん、農産物目当てなので花の存在に気づかなかったのかもしれません。
また不景気になると、まずは胃袋を満たす食料が重視され
お腹いっぱいにならない花は売れなくなる傾向にあります。
企業が無料で配るカレンダーと同じ。まずこの辺りから削減されるからだそうです。
でもこんなご時世だから花を部屋に飾って心を豊かにしたいものです。
シクラメンは長期間楽しめ、上手に育てると毎年花を咲かせます。
ぜひチャレンジしてもらいたいものです。
さて今週末は80周年記念式典。FLORAはホテルで開催される祝賀会で
30分ほど時間をいただいてストックホルム青少年水大賞の報告をします。
全員登壇して研究内容はもちろん、長年の活動を紹介しながら
皆さんのご支援に感謝を述べる予定です。
先日、デーリー東北賞の受賞も決まったので注目されています。
今回はみんな真面目になって頑張りたいと思います。
体育館で開催される式典では60周年記念で立ち上げた
郷土芸能部の演奏も披露されます。
FLORAの女子も和太鼓演奏者なので、発表と掛け持ち。
大忙しですが、頑張ってFLORAの花を咲かせましょう!
もしかしてこの大量のシクラメン、式典会場を飾るのかもしれませんね。
シクラメンはかつて園芸科学科の目玉商品でしたが、学科は2021年に閉科。
つまりシクラメンのかほりは園芸科学科のかほりでもあるのです。
コメント

町の食農ステーション

2024年11月03日 | 園芸科学科
これまた古い写真です。撮影されたのは2010年の5月頃でしょうか。
黒いTシャツを着ている男子は初代TEAM FLORA PHOTONICSのメンバー。
園芸科学科の3年生になっていました。胸のロゴで年代がわかります。
彼らの前にいるのは赤い帽子を被った幼稚園児。
とんでもない数の子供たちが、
FLORAがこの年から本拠地にした馴化温室に押しかけています。
子供たちが見ているのはLEDを活用して栽培している草花たち。
結成当時は、植物工場という言葉を耳にするようになった頃。
しかし大学や企業のごく一部で取り扱っている程度で
田舎ではどこを探してもありませんでした。
ところがFLORAは2009年からLEDを使った草花栽培の試験を開始。
面白い結果をたくさん見つけ、結成半年にもかかわらず
学会で受賞するなど注目されていました。
そんなことで名農見学にきた子供たちのリクエストにお応えし
珍しいLED栽培を見てもらっているのです。
当時は毎月のように地元の小学生が名農に来校。
高校なのか小学校なのかわからないぐらい
子供たちの笑い声が響いていたものです。
情報ではリンゴ収穫のため、今年も子供たちが第1農場にやってきているとのこと。
今年で創立80周年。名農の地域への食農ステーションとしての役割は健在のようです。
さて今日は名農祭。食と農を体験的に学べる企画が盛り沢山なので
ぜひ名農に遊び難てください。
コメント

2代目アップルガールズ

2024年01月04日 | 園芸科学科
これは数あるFLORAの写真ライブラリーの中でも
とても古く、そして貴重な幻の画像です。撮影されたのは推測ですが2010年12月。
3年生の卒業前の最後の研究発表会だと思われます。会場は南部町の楽々ホール。
当時はこんな美しい会場で、3年生最後の研究発表を盛り上げていました。
貴重なのは、発表している女子たち。なんと2代目アップルガールズです。
初代は2009年の生活科学科の4人組。しかし活動を開始した時、
彼女たちはすでに3年生だったので秋に偉大な成果をあげましたが、まもなく卒業。
その研究を引き継いだのが彼女たち園芸科学科3年のアップルガールズ2代目なのです。
2010年、彼女たちは初代の研究をさらに深く掘り下げ、その年の学会やコンクールなど
多くの大会で日本一に輝きます。では彼女たちが取り組んだ研究は何でしょう。
そうです「白いリンゴ」。自他ともに認めるFLORA史上、最大のヒット作です。
もうひとつ貴重なのは、ここで使っているPC。FLORAがこの年初めて手に入れたMacです。
先月、壊れてしましましたが、京都で開催された科学コンテストの副賞でした。
アプリケーションはPowerPointではなくKeyNote。スティーブ・ジョブスがiPhoneを
発表した際に用いていたMac専用のプレゼンテーションアプリです。
この独特な3Dの棒グラフ、不思議な画面転換の演出などこの頃のWindowsにはなかったので
楽しんでいました。つまりFLORAは発表会に自前のMacを持ち込んで発表していたんですね。
実は当時、研究班には男子と女子が所属していました。その数総勢10名以上。
さすがに大人数では活動できません。そこで女子がアップルガールズ、
男子がTEAM FLORA PHOTONICSを結成し、別々の活動をしていました。
アップルガールズは2代目で解散。白いリンゴはその後、FLORAに引き継がれていきます。
コメント

俺ら東京さ行ぐだ

2023年09月15日 | 園芸科学科
2013年の古いデータから面白いものを見つけました。
航空写真の上にエクセルのグラフ。
残念ながら縦軸にも横軸にもヒントになる数字や単位がありません。
ただ青い線は地上、赤い線は屋上とあります。皆さんはこれが何か想像できますか。
もちろんこれは未完成の画像ですが、すぐ思い出しました。
実は地上というのは6月頃の第2農場の気温、屋上は名農の屋上の気温です。
作ったのは園芸科学科時代のTEAM FLORA PHOTOINICS。
屋上はコンクート打ちっぱなしのため寒暖差が大きいので、
それを利用してここで観光スイカ農園ビジネスをしようと
ある大学のビジネスプランに応募した時のものです。
調査すると4階の屋上ともなると容易にチョウは飛んできません。
したがって害虫が極めて少ないのです。さらにコンセントがあるので
自動かん水装置や照明、PCなど電気を使うことができます。
屋内なら当たり前の環境ですが、電源を備えた畑なんてありません。
さらにもし都会だったら、下の階や地上にはたくさんの消費者がいます。
農家が販売するために重いスイカをたくさん下まで運ぶのは厄介ですが
観光農園ならおそらく消費者は喜んで収穫したスイカを自ら運ぶはずです。
10年も前の話ですが、こんなアイデアが大ウケで最優秀を受賞し、
確かFLORAみんなで表彰式が行われた長野県に1泊2日で出かけ記憶があります。
このビジネスプランの名称は「俺ら東京さ行ぐだ」。
青森の大スターである吉幾三さんのヒット曲です。
都会はビルだらけ。このような逆転の発想で屋上を畑にしようと思ったら
とんでもない面積の農地が広がっていることになります。
農業やるなら東京で。FLORAのおどけたメッセージが込められていました。
コメント