花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

これ絶対ダメなやつ

2022年05月19日 | 研究
放課後の土肥実験室に集まっているのは4名のフローラハンターズ。
2手に分かれて活動しています。右側の女子メンバーたちは
パソコンに向かって水研究の論文を作成しています。
ときどき相談しているようですが、ふたりとも頭脳労働。
黙々と取り組んでいます。方や左側の2人の男子メンバーは
いろいろ会話しながら作業をしています。
こちらはまもなく沖縄に行く三和土チーム。
沖縄の話をしながら準備を進めています。
今年は沖縄本土復帰50周年。ニュースで聞くのと
実際に訪れるのでは大違い。深い理解につながれば嬉しく思います。
さてフロータハンターズは全部で6名。他の2名はどこに行ったのでしょう。
実は2人とも所属している運動部の遠征中。
県内ではありますが、遠く離れたところで活躍しているはずです。
このように3つに分かれて活動していたフローラハンターズですが
本日の課題研究でまたひとつになって週末に行う大掛かりな実験の準備をします。
おそらく実験よりも時間がかかると思われます。
しかし全員で取り組むと何倍もの力を発揮する彼ら。
まるで自在に形を変えながら前に進むトランスフォーマーのようです。
とここまでは良かったのですが、またまた立ちはだかる関門発覚!
時間がかかるというのに短縮授業なのです。さらに理由を聞いてもっとショック。
避難訓練でした。それも課題研究の時間に発生するらしく
避難指示が出たらみんなでグラウンドに逃げなければならないのです。
絶体絶命、これぜったいダメなやつです。
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西洋VS東洋

2022年05月19日 | 学校
ご覧ください。画面の東西にピンクというか紫系の花が咲いています。
実はこの2つは、似ているようで別の植物。
西(左)はヘレボルス・オリエンタリス。キンポウゲ科のクリスマスローズ属。
通称レンテンローズ。トルコやギリシャが原産の人気のある宿根草です。
東(右)はシラネアオイ(白根葵)。こちらもキンポウゲ科ですがシラネアオイ属。
なんとシラネアオイ属にはこのシラネアオイしかありません。
もちろん日本固有種。正真正銘の日本出身です。
日光の白根山に多く自生すること、
花がタチアオイに似ていることから白根葵と命名されたようです。
さて園芸科学科草花班時代のチームフローラフォトニクスは
クリスマスローズの種子をとり、3年かけて育てては販売し
研究費を調達していました。このシラネアオイは
そんな頃に手に入れたものです。
それはいったいなぜだと思いますか。

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山芙蓉

2022年05月19日 | 学校
10年ぐらい前に研究のために手に入れたシラネアオイ。
ご覧のようにクリスマスローズに似ています。
そう思って当時のメンバーは交配計画を企てましたが
サクラソウへの取り組みの比重がどんどん大きくなったことから
幻のプロジェクトとなってしまいました。
しかし今見るとクリスマスローズの花びら(本当はガク)5枚に対して
こちらは4枚と違います。また開花期も2週間ぐらい遅れます。
似ているようで似ていないようです。
それにしても薄紫の花は美しすぎます。
こんな花色のクリスマスローズが誕生したら大人気になること
間違いなしだと思います。誰かチャレンジしてみませんか。
さてシラネアオイは山芙蓉ともいいます。
タチアオイ、つまり芙蓉(ふよう)の花に似ていることからついた別名です。
タチアオイといえば思い出があります。前任校でタチアオイの
突然変異育種を数年間行ったことがあります。
全面協力してくださったのが理化学研究所の仁科加速器科学研究センター。
日本代表する大型加速器を使って種子に高速のイオンをぶつけ
DNAを切る重イオンビーム突然変異育種に参加させてくれたのです。
見学にも行きましたがダイナミックな施設には驚かされたものです。
用いた植物がタチアオイ。届いた種子を育て採種し、
さらにその種子を育てたところ花色こそ変化しませんでしたが、
極端に矮化したり開花きが数ヶ月早くなった個体が複数現れるなど
興味深い変化を示しました。最後に理研に報告書を提出しましたが、
最先端の技術に触れた良い思い出です。
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