花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ブルーベリーストーリー

2022年05月11日 | 学校
チームが管理している馴化温室脇のブルーベリーの大鉢。
ゴールデンウィーク直前に酸性土壌になるように
新しいピートモスを加えました。
するとそのお礼をしているかのように先日見たら
ブルーベリーはたくさんの白い花をつけているではありませんか。
これには嬉しくなります。チームはこのブルーベリーを
長年管理しては販売しています。これにはこんなストーリーがあります。
南部町はフルーツの里。したがって名農でも栽培しているように
思えますが、残念ながらブルーベリーはありませんでした。
そこで20年ぐらい前に果樹園である第1農場に植えてチャレンジした
園芸科学科の研究班があります。しかし果実がつかず断念。
理由は肥沃すぎる土壌。氾濫を繰り返してきた川沿いの農地は
ナイル川のように肥沃で、いや地や酸性土壌の好きなブルーベリーには
不向きだったのです。困ってしまった研究班は大鉢に植え替え、
学校まで運搬し馴化温室そばで管理していましたが、いつしか研究班は解散。
大鉢は放置されてしまいました。目の前にある誰も食べないブルーベリー。
とうとう我慢できず当時のTEAM FLORA PHOTONICSが名乗りをあげ
管理をする代償として生産物をいただくことを宣言し今に至っているのです。
学校は3年経つと生徒は卒業します。また先生も最長でも10年経つと異動。
したがって10年以上経つと、研究班が自主的に手に入れた
校内の植物や設備のストーリーなど忘れ去られてしまいます。
この大鉢はそんな貴重なルーツが分かっている珍しいものですが
知っているのはFLORA HUNTERSだけ。今年解散したら
もう誰もブルーベリーのストーリーなどを語り継ぐ人もなくなるのでしょう。
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すべて霧の中

2022年05月11日 | 研究
フローラハンターズが今年行なっているトマトチャレンジ。
水耕栽培ながら誰が高糖度のトマトを栽培できるかを競っているのです。
ルールはミスト栽培を用いること。養液に根を浸けるのではなく
細かい霧として噴霧する方法です。噴霧中は水分が養液槽内に充満しますが
タイマーのスイッチが切れると霧は徐々に消え、根だけが空中にあります。
はたしてそんな方法で栽培できるのでしょうか。
昨年の実験では植物にもよりますが、ほとんどのものに適応。
あとはアイデア次第ということで、今回のコンペとなったのです。
現在、水耕栽培で高糖度トマトを栽培するには
水や肥料分だけを透過する特殊フィルムを駆使する方法が有名です。
しかし今ある技術を検証するだけだと研究にならないうえ
やっている本人も面白くありません。
「誰も知らない世界を覗きに行こう」が初代フローラのモットー。
したがってあえてミストにより直接水量をコントロールする方法で
挑んでいるのです。成功失敗の鍵はミストの量です。
噴霧間隔は4者4様。果たして女神フローラは
誰に微笑んでくれるのでしょうか。
答えはすべて霧の中にあります。
さて明日は野菜苗販売。今日はそのリハーサルが行われます。
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