花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

生理障害

2022年05月31日 | 研究

フローラハンターズが春から取り組んでいるトマトチャレンジ。
節水による高糖度トマトの栽培実験です。
プレーヤーは三和土チームの4名。それぞれが1日のかん水量を変えて
誰が一番甘いトマトを収穫できるかを競っています。
するとどうでしょう。トマトの下葉が黄変してきたではありませんか。
しかし病気ではなさそう。実はこれが生理障害。
トマトは極端な加湿や過乾燥、さらにナトリウム濃度が高いないどの塩害を受けると
根からカルシウムなどのミネラル分を吸収できず、葉が黄色くなるのです。
今回の原因は水不足であることは明白。
なぜなら一緒に栽培している水耕栽培トマトでは、この現象が見られないからです。
この生理障害に対する対策は、カルシウムなどの供給。
事前にこうなることを予想していたフローラハンターズは
カルシウムスプレーをあわてて散布しました。
また鉄分も与え、様子を見ることにしました。
しかし気づいたのがちょっと遅く、枯れないか心配です。
ところがあることに気づいたのです。
彼らは1日15分間、量として100mlの水をミスト状態で根に噴霧しています。
メンバーによって1日2回、3回、4回、5回とその回数を変えてますが
なんと5回噴霧しているものは、ほとんど正常。
どうやら4回と5回のあたりのかん水量に生理障害発生の境界線があるようです。
三和土チーム、なかなか面白いことを発見しました。

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同一犯

2022年05月31日 | 研究

乾燥地での塩害発生を緩和し、持続可能な農業実現に貢献しようと
取り組んでいるのが女子2名。水の国際大会に出場する日本代表チームです。
彼女たちの研究対象のほとんどが土壌。
したがって農業高校ながら植物を積極的に栽培していません。
しかし唯一行なっているのがこのレタス栽培。
再現した塩害土壌で育つのかペットボトルで作った装置で栽培しているのです。
これは対策を行わない塩害土壌に植えられたレタス。
そもそも乾燥地の設定なのでかん水量はとんでもなく少なめ。
レタスは半死状態に見えますが、強いものでなんとか生き延びています。
ところが塩害土壌区はこのように葉が枯れてきました。
見た目から判断して、病気ではありません。
これにはいくつか理由が考えられます。まずは水不足。
土壌にはわずかな水分しかありません。次は土に含まれている塩分。
水の蒸発に伴いナトリウムが上昇してくるため
塩分濃度が高くなり生理障害を引き起こしているのです。
レタスはとても耐塩が低い野菜。普通の野菜ならなんでもない環境でも
過乾燥や塩害を受けるとカルシウム不足になるなど
すぐ影響を受けてしまいます。これがレタスやトマトのチップバーン現象です。
しかし彼女たちが対策を施したレタスは最初、乾燥で少し萎びましたが、
今は持ち直し元気。新しい葉がどんどん生まれ、生理障害も起きていません。
よく考えると三和土チームのトマトもこのレタスも過乾燥や塩分による
カルシウム不足などによる生理障害。三和土チームはスプレーで
カルシウムの葉面散布、水研究チームは土壌の下にカルシウム層。
面白いことに同じ現象に同じ対策で立ち向かっていました。

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よもやま話

2022年05月30日 | 研究
先週末のフローラハンターズ。
この日、男子2人が沖縄に向けて出発したので
実験室に集まっているのは居残りの4名だけ。
人手不足もあり学校行事を公欠し、朝から分析に取り組むことになりました。
水研究に取り組んでいる女子2人にとっては最後の大きな分析作業。
2名とはいえ、助っ人はとてもありがたいものです。
このところ北国青森でも気温が上がり始めました。
特に名久井岳周辺は盆地であることから夏日になることもあります。
この日はあいにくの曇り空でしたが、実験室にいるとやはり蒸してきます。
ソーシャルディスタンスがとれ、話をしない時は
マスクは不要といいますが、誰も外す人はいません。
黙々と作業をしています。暑くなのでしょうか?
ところで暑いといえば南国を目指した沖縄チームはどうなったのでしょう。
連絡では初日、前線が通過したので強い雨が降ったようで心配です。
とはいっても初めての沖縄。きっとちむどんどんしているはずです。
活動の合間に雑談していると6名中、フローラの2名が海外旅行の経験者。
いずれもアメリカで中学校の時に、町の企画で派遣されたようです。
ふたりとも違う町。偶然のようです。
長い間実験していると、メンバーのいろいろな話が聞けます。

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いいもの見つけました

2022年05月30日 | 研究
これは水研究チームの実験道具。
4月下旬から2つ連結したペットボトルに塩害土を詰めて実験していましたが
先日、その中の土を採取して分析することになりました。
どうやって中の土を取ればいいのでしょう。
いろいろ試したところ、ペットボトルの真ん中にカッターで穴を開けることにしました。
とはいってもそう簡単にペットボトルに刃が刺さりません。
滑って手を切ったら大変。そこで考えたのが切る場所に養生テープを貼ること。
その上から切ると不思議なことに滑ることもなく、簡単に切ることができました。
しかし問題はその中の土を採ること。思った以上に土がサラサラなのです。
そこでまたまた考えたのがこの園芸用の「土入れ」。
それも盆栽用の小さく細いもの。これをカッターで開けたところに
差し込んで内部の土を採ることにしました。
するとこちらも大成功。土をこぼすことなく上手に採ることができました。
米の等級を調査する際、米俵に竹を斜めに切ったものをさしこみ
取り出しますが、それとまったく同じ方法です。
ところでこの竹をなんというか知っていますか。
名前は「コメ刺し」または「穀刺し」。
そのものズバリという名称ですが、今回初めて名前を知りました。
フローラの土入れは「米刺し」ならぬ「土刺し」として
彼女たちの活動に貢献してくれました。
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北国からのお届けものです

2022年05月29日 | 環境システム科
現在、沖縄やんばるで三和土作りに取り組んでいるフローラハンターズの2名。
今日は地元高校生や環境活動団体との情報交換。交流会が行われているはずです。
とはいっても弾丸遠征。昨日着いたと思ったら、今日の夜には青森戻ってきます。
2人とも初めての沖縄なのでゆっくり楽しんできてもらいたいのですが、
コロナはまだ落ち着いていません。そんなことで長居は無用。
羽田経由で三沢空港にすぐ帰ってくることになりました。
これは彼らが沖縄に持参したもの。右の2つはコロナ対策です。
右下は以前もご紹介した携帯消毒スプレー。機内に持ち込める少量タイプです。
また右上はマスク。世の中にはいろいろなタイプのマスクがありますが
最近よく目にするようになったのは3Dマスク。
立体構造で不織布が口につかないため、とても話しやすいといいます。
ストックホルムで発表をすることになっている水研究チーム。
彼女たちこそ、このタイプが必要だと考えたフローラは
試しに手に入れることにしました。試すのはこの沖縄交流会と
来月行われる水大賞の表彰式、そして学会での発表。
これでうまく行けば正式に準備しようと考えています。
よく見てください。沖縄行けなかった女子メンバーの作ってくれたチームロゴ入り。
どんな時でも楽しんだもの勝ちというフローラらしい遊び心満載です。
そして左上は試作した赤土の三和土。まだ完全に固化していませんが最も大事な荷物。
北国青森から南国沖縄へのお届けものです。
そして左下は雨ガッパ。現在梅雨の沖縄。雨が降る可能性が極めて高いと考え
準備しました。こればっかりは無駄な荷物になって欲しいものです。
沖縄を出発するのは午後。短い時間ですが精一杯交流してきてください。
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