映画「ビヨーンドのあなたへ」カチンコ集
思い橋 あらすじ
学生時代 鎌倉から江古田まで通っていた。東海道線湘南新宿ラインもない頃だったので、2時間半は通学に猶予かかった。映画学科時代は、撮影・録音コースだった。写真工学、フィルムの焼度チェックにLog関数など結構難しい。土曜日は、化学実験の実習もあった。1年生の秋頃か?演出コースの教授から連絡が入った。大船松竹撮影所から依頼があるのだが、誰も遠方で行ってくれないんだ。悪いが松竹の助監督で行ってくれないか?聞くと当時のTBS「木下恵介アワー」だった。初めは現場をみてからと、当時のプロデューサーと会った。演出は中村登監督 、紀ノ川、智恵子抄、古都など名作を世に出した松竹の監督である。当時結構視聴率は高かった。「思い橋」
ファースト助監 テレビドラマではファーストからセカンド、映画だとサードまであった時代である。
Nagra III, IV, IV-s, IS and SN reel to reels
勿論私はセカンドである。ファーストから手渡されたカチンコ これは同録収録 当時はNAGRAだったからこのカチンコの音で位置を編集するわけだ。然し乍ら、このカチンコ 蝶番 上と下 繋ぐ皮がよれよれでうまく叩けない様になっているのだ。革だからへなへなである。そこに指をかけて叩きフレームアウトする。当時2コマまでで抜け、これ結構至難の技です。
シーンをカチンコボードに書き込む、シーンナンバーを入れ、大声でシーンを伝えて叩くわけだ。
すると撮影監督がダメを出す。「だめだチョークの粉が落ちた。」で怒られるわけである。
スクリプターの女性には滅茶苦茶にいびられたものであった。
フィルムの無駄な長さは制作費に影響する。叩くポイントも役者さんから教わった。
当時助監督は一本立ちとして監督となる。しかしそれで興行も含めて駄目だったら一生助監となる。そうなると人間逃げ場を求めるのである。それがヘナヘナのカチンコ1コマ2コマで叩くことが凄い事となる。この1点だけが、唯一のプロとしての誇れる事。海外ではゆっくり叩きゆっくりフレームアウトするが、非常に百済ないことだと思った。こんな事に自負を持ってどうするのだろう。そして松竹衰退期をむかえる。
T-Slate (Tablet Production Slate)
では米国同様に叩けばデジタルタイムが表示されていくし、iPad Appを利用したカチンコまで登場している。
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