AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

ピンクリボンの触手感⑵

2019-10-10 20:36:59 | アイディアのIdentity







ピンクリボンキャンペーンにちなんだ全面ピンク色のバックの中心に、なにやらドットが並んでいるというビジュアルです。さらにドットの下にはこんな文字が。“The simpler way to prevent the breast cancer”(乳癌を予防する、なにより簡単な方法)。
勘がいい人なら、このドットが点字だとすぐさま気が付くかと思います。つまり、点字で“その方法”の具体的な内容が記載されていることがわかります。ですが、点字を知らない大半の人にとってどうやって読み取ればいいのでしょうか。
読み解くカギは左下にあります。「Braille Alphabet(点字アルファベット)」というタイトルのもとアルファベットのA~Zまでの点字イメージが記載されているのです。これを中心のドット一つ一つと見比べると、「乳癌を予防する、なにより簡単な方法」の答えが分かるという仕掛けです。上部の画像はクリックすると拡大版が開きますので、是非ご自身で答えをお調べください。

今の時代、広告をじっくり見てもらうのは難しいもの。だからこそ、一瞬で伝わるような広告クリエイティブがよしとされるケースが数多くあります。
そんな中、今回の広告はあえて「読めない・理解できない」表現にすることにより、受け手の「何が書いてあるのか読みたい・知りたい」という欲求を掻き立てています。そして“A~Zまでの点字アルファベット”という読み解くカギを一緒に提示することにより、受け手が受動的ではなく、能動的にクリエイティブに接することを促し、その結果、読み取れた時のメッセージの理解度は通常に比べて格段に深まるという仕組みなのではないかと思います。
『点字を読み取る』という非日常の体験を通じて自らのチカラで「答え」(それこそが、広告主にとっての伝えたいメッセージ)を導き出したという、ちょっとした達成感もメッセージの理解を後押しするのかもしれません。
(Ad Gang https://adgang.jp/2014/10/77769.htmlから引用させて頂きました。)






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