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クレモナの憂鬱⑶

2018-08-08 13:42:16 | メディアの一向一揆

 

 

 

 

パガニーニが演奏に使用したヴァイオリンは、1743年グァルネリ・デル・ジェスが製作した「カノン」が有名である。彼はバイオリンの魔術師と呼ばれた。同じクレモナでステラドバリウスと並び称される名器を世に出した。

 

 

 

3D Printed Violin Stradivarius Sunrise 1677 with Wood Filament by ViolinoDigitale

 

 現在に至るまで、何故にステラドバリウスの音に魅了されるのか、多くの識者がその時代の推を集めた研究技法で調べたのである。この時代それを探る手段として白羽の矢が立ったのは、3Dプリンター。ストラディバリウスをスキャンして、構造を再現した楽器を作り出したのだ。

研究に2年製作に9ヶ月以上1677年製の「Sunrise」モデルを元にした、3Dプリント版ストラディバリウス。

 大きな舞台でも響き渡る力強い音が魅力のストラディバリウスに比べると、少しパワーに欠けるよう。しかし、優しく弾くと驚くほどボリュームを絞ることができ、反対に強く弾くとすぐに音が割れるという「Sunrise」ならではの特徴は受け継いでいる。

「レプリカを作ること」が目的ではない」

ヴァイオリンを丸々プリントしたのではなく、部品を印刷し、職人が仕上げたというこの楽器。研究に約2年、製作だけでも約9ヶ月を費やしているそうだ。

 

Noztek Extruder making 3D printing filament for musical instruments from ViolinoDigitale

 

 制作者のHarris Matzaridis氏は、このレプリカ製作の狙いについてこう語ります。

「この楽器が本物の音に近いかどうか、という議論が起こっているようですが、私の狙いはストラディバリウスのレプリカを作ることではありません。そもそも、そんなことができるとは考えていません。

これは『最高の楽器』と呼ばれるものが、一体どういうメカニズムで作られているのかを研究するための手段です。

まだ研究は途中ですが、今後も良い楽器の仕組みを正しく理解するために、アプローチを続けていきたいと思います」

 

「美しい」や「良い」という感情を抱かせる楽器の音色は、一体どこから生まれるのでしょうか?

経年変化が絶妙だとか、ニスに秘密があるとか、実は防虫剤が関係してるんじゃなかろうかとか、名器たるゆえんには諸説あるストラディバリウス。

今回の試みを通して、新しい説が出てきたら面白そうです。今後の進展が楽しみな研究ですね。

(https://tabi-labo.com/282109/stradivarius-3d-printから引用させて頂きました。)

 

クレモナが生んだステラドバリウス、ガルネリ、3Dプリンターまで加熱する今の現状に、憂鬱に思うのは彼等かもしれない。

 


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