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映画のような画面構成、過去と現在を行き来しながら展開する緊迫のドラマ。
思わず、引き込まれつつ見入ってしまった。
制作者の意図する世界に第1話からはまり込んでいる。
時代劇大好きの当方であるが、現代劇でも骨太の映画のようなドラマづくりのカットは好きである。
時代劇でいえば、先般終了の「雲霧仁左衛門」(前編・後編)に匹敵するようなリアリティな画面構成。
「64(ロクヨン)」はまさにそれである。
たった7日間しかなかった昭和の時代。
昭和64年の少女誘拐殺人未解決事件、これが発端となったドラマが濃厚に展開。
警察機構にメスを入れたドラマであろうか。
ところで、民放のドラマでも、警察を舞台にしたものが多彩に制作されている。
犯人捜しをする推理小説ばりのドラマも多い。
とかく、ワンパターンのドラマ展開に終始。
この「64(ロクヨン)」も警察内部の警務部と刑事部のせめぎ合い、広報室と記者クラブのここまでやるのか、と云ったせめぎ合い。
そのような伏線があるなか、14年後つまり平成14年に時効を迎える「昭和64年の少女誘拐殺人事件・・通称64(ロクヨン)」。
警察庁長官がパフォーマンスのため、当時の被害者宅に警察は今でも捜査しているとのことを印象付けるため訪問を計画している。
この物語の舞台は、平成14年の現在と過去の昭和64年。
主人公の警務部秘書課広報室の三上義信広報官(ピエール瀧)は、キャリアの警務部長赤間光良(平岳大)と記者クラブの板挟みに苦労している。
昭和64年1月当時、三上は刑事として誘拐身代金引き渡しの現場に向かう被害者の父雨宮芳男(段田安則)の車を追尾していた。
そして、再びその「64(ロクヨン)」と呼ばれている未解決の少女誘拐事件を模倣した誘拐事件が起きるとか。
果たして、事件の真相とは。
平素はシリアスな演技とは、ほど遠いような役柄の多いピエール瀧さん。
今回、これまでとは全く違う役柄、元刑事で広報室の広報官を懸命に演じながら事件の真相に迫っている。
今まで見たことのない真剣な眼差し、すごく新鮮味があるから魅せられている。
ちょっと神経質そうで、出世のことで頭が一杯、その上冷徹とも思われる警務部長を演じている平岳大さんも・・・おっ、お、お、なのだ。
主人公とこの2人の絡みも面白い。
また、昭和の時代を彷彿させるロケ先、登場する車なども見ていて楽しい。
平成14年当時との対比。
さらに平成27年の現実の世界との違い、それもドラマの中で見いだせる楽しみもある。
制作スタッフ、美術部門のスタッフも大変なことであったろう。
まさに、平成27年の現代が画面に映りこまないよう、カメラワークも大変なことと思われる。
などと、ドラマ展開とは別の視点から眺めるのも面白い。
次回以降が楽しみである。(夫)

(出典:NHK公式HP 抜粋)
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