咲とその夫

 定年退職後、「咲」と共に第二の人生を謳歌しながら、趣味のグラウンド・ゴルフに没頭。
 週末にちょこっと競馬も。
 

剣客商売・・・冒頭の書き出しがいい

2013-08-01 22:54:22 | レビュー
 先日、帰りの羽田空港の搭乗ゲートにて、剣客商売(い17-1)を思わず手にとりレジに持ち込んだ。機内で急に読みたくなったからであろう・・・。

 同小説は全巻を義兄から借用し既に読み終えており、映像化されたDVDも何度か見終えている。だから、何を今さらながらといったところかも知れない。

 義兄の方も面白いものだから、何度も取りだして読み耽るといっているが、まさにそのとおりである。お互い、池波正太郎狂の一人なのかも知れない。

 久しぶりに手にするこの小説、改めて噛みしめるように読むと・・・うーん、いいね。何ともいえない「剣客商売」の主人公・秋山小兵衛と大治郎親子、その親子の最高の生き方と関わりの中に引き込まれてしまう。

 1ページを捲った物語の導入部分の書き出し、この文を読むことから剣客商売への物語に徐々に引き込まれてしまうから、まるで催眠にかかったようなものである。

 「冷たい風に、竹藪(たけやぶ)がそよいでいる。

 西にひろがる田圃(たんぼ)の彼方(かなた)の空の、重くたれこめた雲の裂目(さけめ)から、夕焼けが滲(にじ)んで見えた。・・・」

 たった、これだけの2行の書き出し、これでどのような情景なのか思い浮かぶから、さすがは尊敬する池波先生。

 隣にいた家内に思わず、この書き出しの冒頭の文章を読ませた。

 「へー、池波小説をはじめてみるけど、ものすごい書き出しだねぇ~。姉ちゃん(長女のこと)も貴方も夢中になるわけだね・・・」

 と、感心していた。

 1時間そこそこの機内で、“女武芸者”を読み終えた。その女武芸者とは、田沼意次の妾腹の娘・佐々木三冬のことである。この三冬が早くも第1話から登場、そしていずれは小兵衛の息子・大治郎と大きな関わりをもつこととなるが、それはもっと先の話である。

 ところで、先日の息子宅に出向いた際、心残りのことがあった。

 羽田空港に向かう最後の日、息子たちにも話したことであるが、「池波正太郎記念文庫」(東京都台東区西浅草3-25-16 台東区生涯学習センター1階台東区立中央図書館内)に行けなかったことである。

 今回の暑い最中(さなか)であれば、あれ以上でかけることも時間的にできなかったから、次回の宿題とした。息子も是非にも行ってみたいとか。

 この池波正太郎記念文庫は、この春に我が友(学生時代の[○○雀会])が出向き・・・当方に是非行くといいよ、と、知らせてくれたところでもある。

 これで、関東方面へ出向く楽しみも一つ増えることとなった。

 それはさておき、今回の「剣客商売」7話中の第6話を読み進めている。その前に購入している池波小説も読んでいるから・・・同時進行の忙しさ。

 その間、プロ野球観戦とか、競馬の資料あさりとか、新聞の面白い記事あさりとか・・・そうそう、ブログ書き込みが一番の忙しい日々

 昨日も蒸し暑かったが、今日から再び暑さも戻ってくるとか。各地のゲリラ豪雨と猛暑日の繰り返しにそろそろ飽いてきた。

 秋山小兵衛の生きた時代には、このような猛烈な日々はなかったであろうから、その頃の人々は案外、幸せであったであろう。

 一方、人間関係については、冷えきった現代であるが、小兵衛の生きた時代は熱いものが通い合った時代でもある。

 いいね、池波小説は・・・。(夫)



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コメント (2)
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