ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

病み上がりに棒ノ嶺

2008-01-08 | 花と自然
 今日は一足飛びに春が来たような陽気だった。病み上がりなので遠くの山へ行くのはやめて、近くで何回か行ったことのある山を選んだ。いざとなったらいくつかのエスケープルートがある棒ノ嶺(棒ノ折山)に登ることにした。標高969m。すでに5-6回は登っている。しかし、今回はまだ登ったことのない尾根筋ルートから登り、落合に降りるルートをとることにした。この二つのルートを歩けば、棒ノ嶺のすべての登山ルートを歩いたことになる。

 にぎりめしと紅茶の入ったテルモスをザックに詰め込んで、尾根筋のルートを上る。足の痛みもなく快調だ。ただ、病み上がりなので体力が無くなっているらしいのが気に掛かる。なるべく急がないように歩いた。天気も良いし、時間も十分あるし、標高も1000m以下なので、気は楽である。週日でもあり人気はあまりない。

 頂上直下の登山道で奇妙なものを見つけた。灰色で子どもが絵に描く太陽のように四方に星形に広がっている。キノコの仲間でツチグリだ。真冬の今頃でもキノコが出ている。やはり今年の冬は暖かいのだろう。昨日は千葉の鴨川でキノコ取りの人が道に迷って死んでいる。

 頂上にはちょうど2時間で到着。途中、二人連れの登山者と前後したが、この人たちがラジオを大きくかけていて、騒々しい。私は山へ鳥の声や風の音など自然の音を聞きに来ている。もしくは静寂を求めて来ている。うるさい二人を引き離そうと頑張って登ったけれど、静かな山の中ではどんなに遠く離れてもラジオの音が耳につく。なんとかしてくれ。

 頂上で食事をさっさと終えて、二人が動き始める前に出発。ここから落合への下降点に向かう。長尾丸山への尾根筋にちょっとしたピークがある。槇ノ尾山(945m)だ。ここから落合に向けて降りる。しかし、降りる道がよくわからない。しばらく葉の落ちた落葉樹林の中をかすかな踏み跡を探しながら歩く。まもなく少しはっきりした踏み跡が見つかったのでそれに従っていくが、そのうち尾根に出てしまった。どうやら道を間違えて長尾丸山方面の尾根筋に出てしまったようだ。

 時間もあるし、足も痛くなっていないから、まあいいか。と、長尾丸山もついでに登ってくることにした。葉が落ちた明るい落葉樹林帯(写真)の尾根を20分くらい歩いて、今度はうすぐらい杉の植林地の中の頂上につく。958m。今日三つ目の頂上だ。そこからもと来た道を引き返す。そろそろ時間も過ぎてのんびり道を間違えながら歩く余裕も無くなりつつある。

 今度は正確に尾根をたどって槇ノ尾山まで引き返し、そこからの下降点を慎重に探す。少し降りたところにしっかりした道標があった。先ほどはこんなしっかりした道標を見逃したらしい。道標に従って落合までの急斜面を降りる。まるで崖下に転がり落ちるような急斜面が続く。落ち葉が厚く積もっていたのでシリセードのつもりで落ち葉におしりを降ろして滑ったが、落ち葉の下は霜柱が溶けてどろどろの泥だった。おかげでズボンは泥々。

 降りついたところは登り始めたところから数キロ上流の林道。ここからは林道を歩かねばならない。バスは11月までの運行で冬は動いていない。コンクリートの舗装道路を延々と歩くのは山道とは違う辛さがある。途中の有間ダム湖を近道しようと右岸に渡って歩いていたら途中で道路崩壊のために全面通行止めの立て札。どうやら去年の台風九号で湖岸の道路が崩落したらしい。あきらめてまた1kmもとの橋までもどり、歩き直す。

 結局、今日は6時間歩いた。しかし、病み上がりにしてはよく歩けた。筋肉が衰えていたらしく、筋肉痛が残った。でも、これで自信が戻った。来週はどこに登ろうか。