ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

同性への愛か、美への愛か

2008-01-22 | 日記風
久しぶりに古い映画を見た。1971年の映画だからもう40年くらい前の映画だ。昔見たことがあったような気がしたが、今日見ても思い出さない。かなり当時は有名な映画だったので、いつのまにか自分も見たような気になっていたのだろうか。映画の題名は「ベニスに死す」。作者はあの著名なトーマス・マン。そしてビスコンティ監督、ダーク・ボガード主演のイタリア映画だ。

 古い映画ファンならきっとあらすじは知っているだろうが、ボガード扮する有名な音楽家で大学教授が、ベニスのリゾートホテルで出会った若く美しい青年に心惹かれ、やがて彼を心から愛するようになるが、青年はただ冷たくあしらうだけ。教授はついに彼の美しさに恋いこがれて狂い死にするという話。美しいものへのあこがれは異性であれ同性であれ変わらないというのが作者・監督の伝えたいことらしい。見終わって「う~~ん。そうだろうか?」。

 しかし、この映画は130分の上映時間でほとんど会話がない。ボガードも台詞の全くない映画に出演してどう思っただろうか。台詞がないということは、その分を演技ですべて表さないといけない。監督のカメラは彼の心理を描写するために長々と風景と彼の表情を描写する。その連続から観客は彼の心の動きを知ることになる。

 「愛のなんたるかを知る幸せと不幸」「愛は人間を幸せに導き、そして愛が人間を底知れぬ不幸へと陥れる」

明日は雪になるだろうか?