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ジュゴンが勝利した辺野古基地問題

2008-01-27 | 政治
大阪人はタレントに弱いので、ひょっとしたらと心配していたが、やっぱり橋下徹氏を府知事に選んでしまった。内容よりもタレント性が大事なのだろうか。それとも選挙とはタレントの人気投票だというのだろうか。わいせつ知事をだしたり、役人気質が抜けない女性知事だったり。大阪もこれからが心配だ。

 もっともこれから自治体選挙で重要な選挙が続く。いまもっとも注目したいのは岩国市長選挙だ。米軍再編にからんで沖縄の米軍戦闘機を岩国基地に移そうという計画に岩国市民がノーを言っている。井原市長は住民の意向を汲んで米軍再編拒否を貫いてきた。住民投票では、実に85%近くが米軍戦闘機の移転に反対の意志を示した。これで市長がイエスをいえるはずもない。

 ところが市議会は国の以降には逆らえないと移転ノーを叫ぶ井原市長の予算案を否決し続けた。防衛省は、国の意向に逆らう井原市長に露骨な「アメとムチ」の政策をつきつけた。今回の米軍再編とは別の基地強化受け入れとの交換で約束した市庁舎建設費の35億円助成金を最初の一年間で打ち切ってしまった。お上の威光に逆らうやつには約束を破ってもかまわないという露骨なやり方だ。

 市議会の予算案の度重なる否決に、市政運営ができなくなった井原市長は自分の首と引き替えに予算案を通してもらい、今一度信任のために市長選挙に立候補した。選挙は2月10日だ。この選挙で井原氏を当選させることは、業者とゴルフをして利権をあさっていた防衛省の天皇たちのやり方に市民の側からあらためてノーを突き付けることだ。圧倒的な多数で井原市長の再選を見たい。

 米軍再編計画への防衛省の「アメとムチ」の政策は沖縄普天間代替基地である辺野古を抱える名護市でも同じである。基地建設賛成派の市長でさえも当初名護市は助成金を支給されなかった。国の卑劣なやり方に住民の怒りは大きくなるばかりだ。

 辺野古の米軍基地建設で埋め立てられる大浦湾のジュゴンを原告の一人としてアメリカカリフォルニア連邦地裁に訴えていた「ジュゴン訴訟」で、ジュゴンが勝訴した。裁判所はアメリカ政府が基地建設においてジュゴンの保護に考慮を払うよう命令を出した。住民とジュゴンの大勝利だった。アメリカと日本政府はこの高いハードルをどうやって越えるだろうか。アメリカ政府は辺野古計画からの撤退も視野に入れているかもしれない。