鉋台。 2008-09-25 21:56:46 | 道具箱 鉋台。 この3台の鉋に共通しているのは鉋台です。木取りがいわゆる追い柾というのでしょう。 右の2台「水光」と「源八郎」は古い物だと聞いています。 もう1台の「貴船」与板の鍛冶屋さんで山田氏の物だとだけ聞いていますがお名前は私には解りません。鉋には読みにくいのですが左下に「長四郎」とも読める名が刻印打ちされています。 と言うことはこの鉋は台から見てすべて与板の物なのでしょうか? それと古いとはいえこれはいつ頃の鉋なのでしょう。 現在台を打ってもらう時はこんな感じの木目でお願いしています。 « 秋晴れ。 | トップ | これは上手い。 »
3 コメント コメント日が 古い順 | 新しい順 Unknown (アウトローな大工) 2008-10-29 05:29:47 鉋台によせてよく生木の切旬は、水あげしていない旧暦の霜月 (新暦では11月下旬から1月上旬頃)が、よいと云われてますよね。使用した樫の産地には、 四国や瀬戸内などで舟の艪材に使用された樫や広島・丹波・米原・足助・多摩・茨城・・・・などの集積地・材木屋(広葉樹専門材木商)を通すと相応に金額が掛かることと、伐採の時期やその後の養生の仕方でも乾燥具合(枯れてからの落ちつき方)は変わります。最上のものを求めようとすると、人任せにはしたくはない部分です。細々とでも地木取引(間伐材の利用など~)の繋がりから、見当をつけます。また、樹木別の植生分布・林業関係・風習・谷戸の繋がりから銘木や探すと大変困難な太い柊(20cm前後)・良質な真竹やグミなどの植生のことも分かってきます。水はけがよく、原生林に近い丘陵地や高台(穏やかな木質)や日本海の風の強い岩場近く(成長が遅く緻密で堅く締まり、すべりのよい材質)ですが、鉋台に使える捻じれのない素性のよい部分は、 一本/一尺五寸程)など、素性のよい原木を伐採後、適当な長さにに切り、(ヒビ割れ防止のために、特殊な芯貫きドリルを使うこともあります。)皮付きのまま小川に沈めて樹中の養分を抜くためと割れ防止のためしばらく小川の流れの中に沈めて、目通りに大割り(二つ割り・四つ割り)してからチョンナで整形後、一寸角/一年以上乾燥養生させて置きます。打ち割りしてチョンナで、はつると帯鋸による製材では分かり辛い木質のことが、よく分かったりします。思うに実家に、樫で作られた昔の水屋(蝿帳付食器棚など)などの家具がありましたが、この時代の樫と今の樫を比べると、植生した環境と伐採してからの養生の枯らし方(乾燥)が違うのか、今の樫材は、それぞれに気候・風土・遺伝的にも違いはあると思いますが、成長が早いのか(気候の変動・温暖化?)木質の締まりが弱く、木目の繊維にもよい意味で、緻密さや力強さを感じることが少ないです。きれいなんだけど、何か他の樹種のように感じる樫もあります。実際に台堀をすると分かるのですが、樹木が持つ粘りが弱く感じるものや、枯れてから中身がほんの少しカスカスするようなものが多いように感じます。また、台木の製材方法(帯鋸製材・割台)にもより木採り(木取り)は、柾目・追柾それぞれに長所と短所があります。寸法は1寸6分鉋に1寸8分の押さえ刃の仕様というように、ぎりぎりの寸法設定で、ひとサイズ大きい切れ幅(口幅)の鉋をよく拵えます。台の厚みも手感から扱いやすいよう、薄い仕様で全体的に小ぶりに仕上げています。 墨付けは鉋身の歪を修正してから、木肌の(北目と南目)にも気をはらい、墨をまわします。9分方仕込みで台打ちをして、鉋刃を仮にすげてしばらく寝かしてから使う時に、仕上げています。素人の工作みたいですが、相変わらず早く精密にできるので、荒取りした後の表馴染みのあたりは、ハイス鋼も下りる細目の外国製鉄鋼鑢でズル・・ズル・・と9割方以上~仕込んでしまいます。口切りは、そのキリットした口きりの角と木っ端返しの断面を滑らかに、屑はけよくスムーズに排出するよう、微妙なすき具合とその形状に苦心します。見ただけでは、その微妙な差は中々分からない部分です。また、目利きしてどれだけ艶のでる鉋刃を探し使いこなせるか、共に丁場の競い合いの中で、評価の決まる大切なところでした。ある意味、艶出しにこだわると、ハシカイ切れでもなく、硬度が少し低い甘切れでもなく、光をまとうような、上品な光沢がでる、次元の違う切れ味の鉋刃(艶だし専用鉋)は、非常に少なく貴重なものと思います。堅木用の一枚刃鉋(隙~2厘)などには、3ミリ厚の真鍮の小板片を斜めに差し込むように埋木をして、刃口(角)を作ることもあります。磨耗に強く、刃口が負けずに、安定して逆目が起きにくいです。もちろん、一枚刃で挽きも軽く真鍮ですから、そのまま台均し鉋で調整できます台磨耗の激しい曲物用の小鉋や豆鉋に、象牙と共によく用います。欠点は、台下端の木目の繊維を横切っているので、いつかは微妙に反りやすいことです。一枚鉋と二枚鉋の切れ味の違いは、見習い当初・・・・・昔あった比重の重い方のラワン材で仕事をした時、そぎ合わした断面の合わせ面での逆目のとまり方やオイルステンを塗布した時に、木目一つ一つのせん断された繊維に、浸透する色の濃さに違いが表れ、気づかされたのが最初の時分です。木口の写真をみて、あれから時間が随分経ったんだな~と、「昔を振り帰り」ザックバランに書き込みました。失礼します。 返信する 鉋台に寄せて (室中) 2009-05-29 20:47:15 私も真鍮刃口の一枚鉋使ってます。老職人に教わりましたが、欅には絶妙ですね。どの様な伝播、歴史があるか、知りたい物です。 返信する 勉強になります。 (はんなり) 2009-05-31 21:58:15 アウトローな大工さん室中さんコメントで勉強させてもらっています。刃口を真鍮金物で埋めること象牙で埋めること寸6鉋の裏刃口寸8の者に替えて使うこと口切りのことすべて目から鱗です。 返信する 規約違反等の連絡 コメントを投稿 goo blogにログインしてコメントを投稿すると、コメントに対する返信があった場合に通知が届きます。 ※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます 名前 タイトル URL ※名前とURLを記憶する コメント ※絵文字はJavaScriptが有効な環境でのみご利用いただけます。 ▼ 絵文字を表示 携帯絵文字 リスト1 リスト2 リスト3 リスト4 リスト5 ユーザー作品 ▲ 閉じる コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。 コメント利用規約に同意する 数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。 コメントを投稿する
鉋台によせて
よく生木の切旬は、水あげしていない旧暦の霜月 (新暦では11月下旬から1月上旬頃)が、よいと云われてますよね。
使用した樫の産地には、 四国や瀬戸内などで舟の艪材に使用された樫や広島・丹波・米原・足助・多摩・茨城・・・・などの集積地・材木屋(広葉樹専門材木商)を通すと相応に金額が掛かることと、伐採の時期やその後の養生の仕方でも乾燥具合(枯れてからの落ちつき方)は変わります。
最上のものを求めようとすると、人任せにはしたくはない部分です。
細々とでも地木取引(間伐材の利用など~)の繋がりから、見当をつけます。
また、樹木別の植生分布・林業関係・風習・谷戸の繋がりから銘木や探すと大変困難な太い柊(20cm前後)・良質な真竹やグミなどの植生のことも分かってきます。
水はけがよく、原生林に近い丘陵地や高台(穏やかな木質)や日本海の風の強い岩場近く(成長が遅く緻密で堅く締まり、すべりのよい材質)ですが、鉋台に使える捻じれのない素性のよい部分は、 一本/一尺五寸程)など、素性のよい原木を伐採後、適当な長さにに切り、(ヒビ割れ防止のために、特殊な芯貫きドリルを使うこともあります。)皮付きのまま小川に沈めて樹中の養分を抜くためと割れ防止のためしばらく小川の流れの中に沈めて、目通りに大割り(二つ割り・四つ割り)してからチョンナで整形後、一寸角/一年以上乾燥養生させて置きます。
打ち割りしてチョンナで、はつると帯鋸による製材では分かり辛い木質のことが、よく分かったりします。
思うに実家に、樫で作られた昔の水屋(蝿帳付食器棚など)などの家具がありましたが、この時代の樫と今の樫を比べると、植生した環境と伐採してからの養生の枯らし方(乾燥)が違うのか、今の樫材は、それぞれに気候・風土・遺伝的にも違いはあると思いますが、成長が早いのか(気候の変動・温暖化?)木質の締まりが弱く、木目の繊維にもよい意味で、緻密さや力強さを感じることが少ないです。
きれいなんだけど、何か他の樹種のように感じる樫もあります。実際に台堀をすると分かるのですが、樹木が持つ粘りが弱く感じるものや、枯れてから中身がほんの少しカスカスするようなものが多いように感じます。
また、台木の製材方法(帯鋸製材・割台)にもより木採り(木取り)は、柾目・追柾それぞれに長所と短所があります。
寸法は1寸6分鉋に1寸8分の押さえ刃の仕様というように、ぎりぎりの寸法設定で、ひとサイズ大きい切れ幅(口幅)の鉋をよく拵えます。
台の厚みも手感から扱いやすいよう、薄い仕様で全体的に小ぶりに仕上げています。
墨付けは鉋身の歪を修正してから、木肌の(北目と南目)にも気をはらい、墨をまわします。
9分方仕込みで台打ちをして、鉋刃を仮にすげてしばらく寝かしてから使う時に、仕上げています。
素人の工作みたいですが、相変わらず早く精密にできるので、荒取りした後の表馴染みのあたりは、ハイス鋼も下りる細目の外国製鉄鋼鑢でズル・・ズル・・と9割方以上~仕込んでしまいます。
口切りは、そのキリットした口きりの角と木っ端返しの断面を滑らかに、屑はけよくスムーズに排出するよう、微妙なすき具合とその形状に苦心します。
見ただけでは、その微妙な差は中々分からない部分です。
また、目利きしてどれだけ艶のでる鉋刃を探し使いこなせるか、共に丁場の競い合いの中で、評価の決まる大切なところでした。
ある意味、艶出しにこだわると、ハシカイ切れでもなく、硬度が少し低い甘切れでもなく、光をまとうような、上品な光沢がでる、次元の違う切れ味の鉋刃(艶だし専用鉋)は、非常に少なく貴重なものと思います。
堅木用の一枚刃鉋(隙~2厘)などには、3ミリ厚の真鍮の小板片を斜めに差し込むように埋木をして、刃口(角)を作ることもあります。
磨耗に強く、刃口が負けずに、安定して逆目が起きにくいです。
もちろん、一枚刃で挽きも軽く真鍮ですから、そのまま台均し鉋で調整できます
台磨耗の激しい曲物用の小鉋や豆鉋に、象牙と共によく用います。
欠点は、台下端の木目の繊維を横切っているので、いつかは微妙に反りやすいことです。
一枚鉋と二枚鉋の切れ味の違いは、見習い当初・・・・・
昔あった比重の重い方のラワン材で仕事をした時、そぎ合わした断面の合わせ面での逆目のとまり方やオイルステンを塗布した時に、木目一つ一つのせん断された繊維に、浸透する色の濃さに違いが表れ、気づかされたのが最初の時分です。
木口の写真をみて、あれから時間が随分経ったんだな~と、「昔を振り帰り」ザックバランに書き込みました。
失礼します。
老職人に教わりましたが、欅には絶妙ですね。
どの様な伝播、歴史があるか、知りたい物です。
刃口を真鍮金物で埋めること象牙で埋めること寸6鉋の裏刃口寸8の者に替えて使うこと口切りのこと
すべて目から鱗です。