京都発・町家・大工はんなり日記

京都で仕事と道具を楽しみながら毎日過ごす。

修繕工事は最良の先生。

2013-10-21 17:46:52 | Weblog
修繕工事は最良の先生。

私はこの様な修繕工事で学ぶ事が多くあります。

たとえばこの桁の継ぎ手ですがとても100年以上時を過ごしていた物とは思えない位ピタット付いているのです。

この継ぎ手に梁の丸太が載っているにも関わらす全く空いてはいませんでした。

きっと良い刃物もない時代にこの様な技を持った大工職人が多くいたのでしょう。私が想像するに仕事で熱演もせずきっとさらりとやってのけたような気がしてなりません。

この桁先に目をやるとぽこんと飛び出した節があります。この桁の痩せ方から見て継ぎ手の胴付きは空いてくると思われるのですがそうでもないのです。大工でない人には胴付は解りませんよね。
要するに木を切った木口のくっついている所と言えば解った頂けると思います。

そして桁の後ろに同じ方向の丸太が掛かっています。この丸太も下の丸太にもう一本上から覆い被せるように掛かっています。曲線の丸太と丸太を繋いであるのです。

その丸太の上に母屋(屋根を支える構造材)が直角に乗せてあります。丸太は手斧で加工されていて雑そうに見えているのですが束の胴付きはぴたっと付いているのです。その母屋も下場だけが製材してあり天場は自然のまま利用してありました。

桁に刺さった柱の臍も天場までぬいてあり桁のゆがみを少しでも少なくする為の工夫がなされています。もちろん桁が痩せるのを見込んで臍の角は桁天より少し下げてありました。

この様に修繕工事をしていると大先輩から仕事を学ぶ事が多く。楽しみにもなっています。

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